●概要
1998年9月、ルーマニア・コンスタンツァ市、及びコンスタンツァ市美術連盟の招待により
藤田昭子が現地において制作した野外彫刻「ハマンジアの船」の制作記録報告を軸に、
氏のこれまで25年間にわたる野焼き野外彫刻の変遷をたどる展覧会を、
市民ギャラリーの協力により、
6月1日より6日まで市民ギャラリー1階の展示場で開催いたします。
藤田昭子は1975年の愛知県常滑市においての「天竺」制作に始まり、
'98年ルーマニア・コバディン市での「ハマンジアの船」制作に至るこれまで
13体の野外彫刻を建立してきました。それぞれの地の土を使い、
現地において焼成、完成させる巨大彫刻を創造する試みは世界に類を見ることはありません。
その素材ゆえに、また諸々の事情によって現在その形を失ったものもあり、
記録写真、ヴィデオでしか知ることの出来ない作品もあります。
時間の経過と共に姿を変え、やがて消滅する事自体が氏の彫刻制作の大きな思想の1つであり、
今は目にする事の出来ない作品群の貴重な資料である写真類を一同に展示する事は、
かつてない試みであり、現代美術、現代美術と世界との関係を理解する上で又とない機会です。
会場は約180点の写真と6点のマケットを展示いたします。
最新作「ハマンジアの船」から始まり、歩を進めるにしたがい、年代を遡り、
野焼き野外彫刻の第一作(1975年制作)の「天竺」にいたる構成となります。
また、6月5日は午後3時より、スライド、記録ヴィデオによる「ハマンジアの船」の
レクチャーを行います。
(展覧会事務局 波の子造形研究所)
●出品物一覧
写真パネル (170〜180点)
1 1998 「ハマンジアの船」 約40点
2 1997 「原・集落」 23点
3 1995 「フンダリカ」 19点
4 1993 「優曇波羅華」 17点
5 1992 「クォバディス」 22点
6 1990 「フレームツリー」 15点
7 1989 「寄」 3点
8 1986 「つばめの家」 2点
9 1985 「みみずの家」 4点
10 1985 「大地の花」 3点
11 1981 「波塔」 1点
12 1976 「出縄」 約15点
13 1975 「天竺」 約7点
マケット(6体)
A 「ハマンジアの船」
B〜B"「原・風景」
C 「優曇波羅花」
D 「出縄」
●会期など
会期 1999年6月1日(火)から6日(日)まで(会期中休み無し)
時間 10:00から18:00まで(ただし1日は16:00から開始、6日は16:00終了)
会場 横浜市民ギャラリー1階
入場無料
●参考写真
1998年9月、ルーマニア・コンスタンツァ市及びコンスタンツァ市美術連盟の招待により
藤田昭子は現地で野外彫刻「ハマンジアの船」を制作しました。下の写真はその時の記録写真です。
写真をクリックすると大きな写真で見ることができます。
プランの説明と工程の打ち合わせ
(左)初日のレセプションにて、コンスタンツァ美術家連盟の関係者たちに作品プランを説明 (右)マケットで工程を打ち合わせる
成形
現地の陶土2tを使い、形を積み上げていく
乾燥
自然乾燥の後、作品のまわりに火をたき、テントの中で作品を燻す
本焼き

午後から焼成を開始。陽が沈むと、その光景はより幻想的なものとなり、村中の人々が集まってくる。真っ赤に燃える木材がだんだんと焼けくずれ、白いハマンジア
の船が姿を現す。
完成
●藤田昭子出品の今後の展覧会
藤田昭子が出品する今後の展覧会は次のとおりです。
藤田昭子の造形 −「なゆた」の船−
会期 1999年5月25日(火)から6月15日(火)まで(日曜休み)
時間 11:00から19:00まで
会場 秀友画廊
住所 東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル3階
電話 03-3573-5335
彫刻の森美術館開館30周年記念展
「森に生きるかたち」
会期 1999年8月1日(日)から2000年9月10日(日)まで
会場
彫刻の森美術館
http://www.hakone-oam.or.jp/f_index.html
住所 神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平
電話 0460-2-1161 FAX 0460-2-1169
●関連サイト
PAZWORLDホームページ
藤田昭子の略歴の他、作品写真、藤田自身の文章「野外に彫刻する意味」が掲載されている。
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