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●2012年度 フレンズ支援作品(全8点)

1 彫刻・立体

ジョセフ・コーネル《ソープ・バブル・セット(コペルニクスの体系)》
1947年頃 ボックス・コンストラクション(木箱にコラージュ,グラス) H.36.3×47.0×9.7cm

©The Joseph and Robert Cornell Memorial Foundation/VAGA,New York & SPDA, Tokyo, 2011
ニューヨークで活動したコーネルは、エルンストの作品に触発されてコラージュの手法による創作活動を開始し、シュルレアリスムの芸術家たちと交流を持つようになりました。やがて既製品の箱の中に物や印刷物のイメージなどを構成するボックス・コンストラクションを制作するようになります。本作では、太陽系運行図を背景に、5つのグラスに入れた木片や貝殻、パイプ、輪、球体など、様々な象徴的イメージが組み合わされています。

2 写真・映像

森村 泰昌《なにものかへのレクイエム(人間は悲しいくらいにむなしい)1920.5.5-2007.3.2》
2007年 ブルーレイ・ディスク/16mm(8分15秒)(ed.1/10)サイズ可変

森村泰昌は、名画の登場人物や往年の映画女優などに自ら扮して、その過程で生じる価値観のズレや元になったイメージの意味自体を問い直すようなセルフ・ポートレートを発表してきました。本作で森村は、20世紀を代表する革命家の一人であるレーニンに扮して、大阪のドヤ街として知られる釜ヶ崎で人間のむなしさについて演説します。労働者による理想社会を標榜した社会主義革命の夢と、一世紀を経た後の現実とが、象徴的に描き出されています。

3 工芸

井上 良斎(三代)《コバルト釉紅梅花文花瓶》
制作年不詳 陶器 H.22.3×13.2cm


三代井上良斎は、横浜市南区永田に窯場を開いた横浜ゆかりの陶芸家です。初期には輸出用陶器の制作をしていましたが、その後、芸術性を追求する創作陶芸を始めました。日展を中心に作品を発表し、伝統的な技術とモダンなデザイン感覚を融合して我が国の近代陶芸の発展に寄与しました。この作品では、淡い紅色で軽やかに描かれた花の華やかさを青い色面が引き締め、印象深い作品になっています。

4 日本画

安田 靫彦《窓》
1951年 紙本着色、額 117.2×75.0cm


見頃を迎えたガクアジサイが、まるで中央の黄釉の壷に生けてあるかのように顔を覗かせています。窓辺には画家の愛蔵品の赤絵の小壷、白磁の筆筒、罫紙の束が巧みに配され、室内と外の自然とを一体化しようとした画家のねらいが窺えます。安田靫彦は歴史画に新生面を拓き、その清澄な画風で日本美術院の中心的存在となった画家です。戦後の復興期に描かれた本作は、平穏な日々の暮らしを喜ぶ画家の心を映した自画像にも例えられます。

5 西洋画

サルバドール・ダリ《ガラの測地学的肖像》
1936年 板  21.8×27.3cm

©Salvador Dali,Fundació Gala-Salvador Dalí,SPDA Tokyo, 2011
ドームのような帽子をかぶった妻ガラの後ろ姿を描いた肖像画です。才気と個性的な容貌を持つガラに魅了されたダリは、その優雅で完璧な美しさをルネサンス建築に例えています。本作に先行して制作された素描で、ダリは、ガラの身体に測地線を巡らして、ルネサンス期のドームを載せた礼拝堂を透視するように描いています。本作品の「測地学的」というタイトルは、この建築から身体への変容を表現する手段に由来すると考えられます。

6 西洋画

ジョアン・ミロ《花と蝶》
1922~23年 テンペラ、板 81.0×65.0cm


©Successió Miró-Adagp, Paris & SPDA, Tokyo, 2011
画業初期のミロは、郷里のスペイン、カタルニア地方の自然や人々の素朴な暮らしを慈しみ、身の回りの風景や静物を克明に描きました。ここでは蝶の羽や葉脈などが緻密に描写されていますが、画面の対角線に沿って伸びた花や葉と、垂直線を強調する花瓶がY字の構図を生み出し、後の抽象的な画風を予告するかのようです。ミロは1922年にシュルレアリストと出会い、やがて月や鳥などを記号的な形態で表す独自の表現を確立します。

7 版画

パブロ・ピカソ《二人のサルタンバンク》
1905年 ドライポイント 12.2×9.2cm


©2011-Succession Pablo Picasso – SPDA(JAPAN)
20世紀美術に革新をもたらしたピカソは、油彩の他、彫刻、陶器など幅広い創作を行い、版画も約2000点制作しました。1904年、ピカソの絵画は孤独に生きる人々を描いた「青の時代」から、サーカスの一団を暖かみある色で描く「ばら色の時代」へ移行します。その翌年に作られた本作では、軽業師の人間味あふれる表情が簡明な輪郭線と部分的な陰影で素早く的確に捉えられており、彼らに対する作家の深い共感が表れています。

8 日本洋画

渡辺 幽香《幼児図》
1893年 カンヴァス、油彩 57.8×84.0cm


父は初代五姓田芳柳、兄は義松の画家一家に生まれた幽香は、兄の門下の渡辺文三郎に嫁ぎ、明治初期の女性洋画家の草分けとなりました。明治26年にシカゴで行われた世界コロンブス博覧会に出品された本作は、幼児の無病息災を祈る日本風俗を描いたものと考えられてきましたが、近年の研究では、安土桃山時代の武将・福島正則の幼少の姿を描いた歴史画と解釈されています。作品には、様々な玩具が描きこまれた朱色の額縁が伴っています。

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