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2011年10月23日
活動報告:古典絵画技法講座「黄金背景テンペラ画」
6月から8月に開催された「古典絵画技法講座 黄金背景テンペラ画」の様子を紹介します。
「黄金背景テンペラ画」は、イタリア・ルネッサンス時代の宗教画などに多く見られる背景が金箔で装飾された絵画です。
今回の講座では、イタリア現地の材料や道具を使ってこの技法を制作体験しました。

まずは、絵の土台となる支持体作りから。

板に麻布を貼り、白い塗料を何層にも塗り重ねます。
乾いたら、真っ平らになるまで削ります。とにかくひたすらひたすら削って磨きます。
ここでしっかりとした支持体を作っておかないと、後で大変なことになるそうです・・・・。
参加者の皆さんも丁寧に作業を進め、とても美しい支持体を作っていました。
さ、いよいよ次は、描画と金箔を使った作業です。
しかし、今回はここまで。次の作業の様子は、また次の機会にご紹介します。お楽しみに。
(講座実施 2011.6/15〜8/3 毎週水曜 全7回)
2011年10月14日
活動報告:横浜 美の職人「版画摺り師の技」
市民のアトリエでは、「生誕120年記念 長谷川潔展」(2011.4/29〜6/26)に関連して、版画摺り師(はんがすりし)であり横浜マイスターである尾崎正志さんを迎えて、トーク&デモンストレーション「横浜 美の職人・版画摺り師の技〜長谷川潔の銅版画作品をめぐって」を開催しました。
第一部では、長谷川潔が横浜に生まれ、版画技法を習得するため1918年27歳で単身渡仏し、1980年に亡くなるまで一度も帰国することなく版画家として活躍した生涯を、当館の猿渡紀代子 特任研究員の解説で振り返りながら、尾崎さんとの対談を行いました。また尾崎さんには、1973年に文化庁在外研修員の職人部門第1号としてパリに渡った際の長谷川潔との出会いや、その後、作品の刷りを手がけた時のエピソードなど、貴重なお話をしていただきました。
第二部は、長谷川潔のオリジナル銅原版『林檎樹』(1956年 エッチング)と、『玻璃球のある静物』(1959年 メゾチント)の二作品について、尾崎さんによる刷りの実演を行いました。
長谷川潔は、『玻璃球のある静物』にも用いられているメゾチント、フランスではマニエール・ノワール(黒の技法の意)と呼ばれる技法の持つ漆黒の美しさに魅せられ、多くの作品を生み出しました。特に晩年1950年代後半から取り組んだ、マニエール・ノワールによる作品群には究極の美しさがあります。
今回のデモンストレーションでは、長谷川作品の美しさを実現する過程には作家と摺り師による多くの工夫があることを実感することができました。堅く粘りのあるインク、そしてそれを刷り取るために紙が耐えるギリギリのプレス圧とのせめぎ合いの上に生みだされる独特の漆黒は、卓越した職人の技術が表現し得る世界です。
尾崎さんは自らを「摺り師」と名乗ります。
普通、「摺」という文字は木版画でバレンを用いて手で摺る場合などに使い、銅版画やリトグラフのようにプレス機を使用して刷る場合は「刷」という文字を使います。日頃の仕事ではプレス機を用いて刷ることの多い尾崎さんですが、今回、全身全霊をかけて仕事に打ち込む姿を間近に拝見して、「摺」という文字へのこだわりが分かったような気がしました。
(ワークショップ実施 2011.6/12)
2011年10月05日
活動報告:横浜みどりアップ・ワークショップ 「色の散歩 5月コース」
染織家・清水繭子さんによる五感で横浜の森を感じる二日間のみどりアップ・ワークショップ「色の散歩〜森の恵みの標本箱づくり」を行いました。
一日目は、保土ヶ谷区にある環境活動支援センター・横浜市児童遊園地を散策。日頃からみどりアップ計画の推進や森の管理・調査をしている横浜市環境創造局の職員の方に、植物の種類や特徴、森を育むための日々の活動などをガイドしていただきながら園内を一周しました。また散策の途中には、樹木に触れたり鳥や虫の声を聞いたりしながら、標本箱の素材を集めるために、落ちている木の実や枝を拾いました。
二日目は美術館での作業。午前中は、環境活動支援センター周辺の森を整備するために剪定した枝葉や間伐材の「ミズキ」「コウヨウザン」「ブドウ」「ケヤキ」をいただいて布と和紙を染めました。
グループごとに一種類ずつ担当して、枝や葉を煮出してつくった染液で染めていきます。紅茶色の温かい染液から立ち上がる独特の香りを感じながら液の中で布をおよがせ、次に染料を定着させるための媒染液(今回は灰汁と鉄の二種類)に浸すと淡いピンクや黄色、グレー、それぞれの植物の持つ個性的な色に染まりました。
素材がそろった午後はいよいよ標本箱づくり。前日の森の散策を振り返りながら、記録したメモを頼りに箱に書き込みをしたり、午前中に染めた布や和紙、森で拾った枝や葉を組み合わせたりして、それぞれがワークショップで感じたことを箱に表現してみました。
自然が四季折々に様々な表情をみせるのと同じく、草木の内側でも季節や気候によって蓄えている色が変化していくそうです。新緑の爽やかな季節の「横浜の森」、その恵みでつくったオリジナル標本箱ができあがりました。
「色の散歩」は、11月にも開催します。秋の森ではどんな出会いがあるか楽しみです。
(ワークショップ実施 2011.5/21,22)