
展覧会は、第I章「シュルレアリスム美術の胎動」、第II章「シュルレアリスムが開くイメージ」、第III章「シュルレアリスム出現以後の様々なイメージ」で構成されます。シュルレアリスム運動に参加した美術家だけでなく、デ・キリコやダダの作品、広告美術、さらにアンフォルメルやアルテ・ポーヴェラ等の戦後の西洋美術、草間彌生、奈良美智ら現代の日本美術まで、作品総数125点をひとつの時間軸に並べます。
中心を占める第II章では、80余点の作品を「イメージが訪れる」、「反物語−お話しにまとまらないイメージ」、「風景」、「女と愛」、「物と命」、「神話と魔術」、「時空の彼方に」の7節に分けて展示。シュルレアリスムの美術に特有なイメージの成り立ち方とテーマによる分類です。これらのテーマは今日の広告や映像文化の中にもしっかりと受け継がれています。
イメージは現代の日常生活に深く浸透して人々にはたらきかけ、私たちもそのはたらきに思考や消費行動の基準をゆだねるようになっています。こうした状況を考えるとき、かつて想像力の解放をうたったシュルレアリスムのイメージを信頼できるものにしているのは何か、と問う必要があるのではないでしょうか。結びつけることと解放すること。イメージがはらむ相反する力のどちらを発揮させるのか、その判断は私たちひとりひとりの手にゆだねられているのです。