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2006年09月06日
邦楽、美術館をジャック! No.2
9月4日(月)の夜、尺八の音色がグランド・ギャラリーに響いて、「邦楽、美術館をジャック!」の2回目は、始まりました。
初め、「日本×画展」の展示室前に三々五々たたずむ人々には、音自体がまるで妖しい生き物であるかのような神秘的な音色が聞こえてきても、奏者の姿は見えませんでした。やがて、尺八を演奏しながら回廊をゆっくり進むジーンズ姿の藤原道山(ふじわら・どうざん)さんが現れました。藤原さんが、展示室を巡りながら、時に力強くシャープに、時に繊細で柔らかく尺八を奏でると、「これが尺八?」と思えるほど透明感のある音色や、倍音を含む複雑な音色など、多彩な音が繰り出されました。
藤原道山さん
つづくは、仲嶺伸吾(なかみね・しんご)さんによる沖縄の歌と三線(さんしん)の演奏。少しあらたまった琉球衣裳に身を包んだ仲嶺さんは、小瀬村真美さんの展示セクションにある畳に座ったり、松井冬子さんの作品前に正座したりして、三線の暖かみのある音色とたっぷりした声量で、琉球音楽が持つ独特の音階による曲を演奏しました。
仲嶺伸吾さん
三人目のソリストは、中村仁美(なかむら・ひとみ)さんです。1000年の時を越えた篳篥(ひちりき)の音が、空間をまるごと包み込むように、人々を引きこみました。
最後に、三人によるジャム・セッションが、企画展示室ホワイエに展示された藤井雷さんの《絵手紙》の前で行われました。仲嶺さんは、少しカジュアルな衣裳に着替えて素足で登場。三線に、尺八や篳篥が呼応した「安里屋ゆんた」が演奏されると、観客の中に思わず踊り出す人もいて、会場は琉球モードで盛り上がりました。
三者によるジャム・セッション
舞台も客席もなく、奏者が会場を移動するこのイベントは、作品を見ながら、演奏者の息づかいを目の当たりにすることができます。まさに、わくわくするライブの醍醐味。観客は客席から立ち上がって大声を上げることはないけれど、会場には、和楽器の音による不思議な一体感が醸成されていました。
「邦楽、美術館をジャック!」は、9月9日(土)が第3回目、最後となります。出演は、琴の奥田雅楽之一(おくだ・うたのいち)さん、歌・三線の仲嶺伸吾さん、篳篥の中村仁美さんの顔合わせです。またひと味違った新鮮な世界が生まれることでしょう。こちらもどうぞお楽しみに。美術館のミュージアムショップと能楽堂でチケット(2000円)を好評発売中です。是非、ご来館ください。 (横浜美術館学芸員 八柳サエ)
投稿者 gaten : 2006年09月06日 10:08