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2006年08月04日

障子にマンガ、そのうえ光るよ。—しりあがり寿によるワークショップ—

 「日本×画展(にほんガテン!)」出品作家の一人、人気漫画家のしりあがり寿さんによるワークショップが、8月2日(水)、横浜美術館の隣に建つランドマークプラザ1Fフェスティバルスクエアで開催されました。ワークショップは、そのアーティストの世界に実作から触れてみる企画です。

寿さん.JPG
↑ワークショップについて説明するしりあがり寿さん。

 しりあがりさんは、障子紙に墨で描く「オレの王国」シリーズを展開しています。今回のワークショップは、障子の枠をマンガのコマに見立てるアイデアから、障子一面18コマの障子紙に、墨でマンガを描くものです。描くにあたっての約束事は2つ。1つは、右上を1コマ目として横に話を進めることです。もう1つは、今回のためにしりあがりさんが作ったオリジナル・キャラクター「ミナトくん」と「ミライちゃん」を主人公に、夏休みの1日を描くことです。1コマ目は「おはよう」と目覚め、左下18コマ目「おやすみなさい」と眠りについて1日が終わります。

 参加者は、お友達同士やお母さんとお子さんなど20組でした。水洗バケツと墨汁、筆を受け取って、4面の直方体に立つ障子それぞれの前に陣取ります。いきなり描き始める組もあれば、18コマの構想を入念に練り、絵コンテを描いてから進める組もありました。

 1コマ目の「おはよう」の次に「ごはんできてるわよ」、と御馳走を描いた小学6年生の女の子に、いつも朝食を作るお母さんは「この朝御飯の絵は理想が入ってると思いますねえ」とほほえみながら、絵の展開を見守っていました。
ごはんできてるわよ.JPG
↑「ごはんできてるわよ」から1日が展開していきます。


目覚めてすぐに宇宙人の訪問を受けて始まる1日を描いたのは、中学1年生の男の子。宇宙人が、誰かと問われて「名刺」を差し出すところがユニーク。その後宇宙人はやっつけられてしまいましたけれど。
宇宙人の来襲.JPG
↑名刺を差し出す宇宙人を描くところ。


 だんだんに完成していく障子マンガ。しりあがりさんは、その一つ一つを丁寧に講評しました。

 ピカチューのエプロンをつけた小学1年生の女の子は、虫取りに出かけた夏の1日を描きました。しりあがりさんから、捕らえたセミを逃がし、飛んでいくセミに「げんきでね」と声をかける12コマ目に、「思い切った力強い絵、こういう絵はいいですねえ。」とおほめの言葉。
寿さんとセミの女の子.JPG
↑しりあがりさんから「力強い絵」と言われています。


また、しりあがりさんの講評を受けた大学1年生の男性と同級生の女性のペアは、「墨で描く体験は初めてだったけど、こんなに楽しいものだと思いませんでした。」と語ってくれました。
大学生ペア.JPG
↑共同で制作する大学生ペア。

参加者はそれぞれに、しりあがりさんと障子の前で写真を撮ったり、サインをしてもらったり、ワークショップのひとときを楽しんでいました。障子マンガは、午後5時から中に明かりが灯って大型行灯のようになる演出があり、ランドマークプラザ1F フェスティバルスクエアに、8月12日まで展示されます。

 また、ワークショップの間、多くの人々が立ち止まって障子マンガに見入っていました。「子どもはいいな。テクニックに走らないから線が新鮮!」と話す人もありましたし、わたしも描きたい!との声も寄せられました。しりあがり寿ワークショップ「障子にマンガ、そのうえ光るよ。」は、8月25日(金)に横浜美術館でも開催されます。出品作家全員が、障子マンガを描く予定です。(参加は事前申し込みが必要です。申込締切は8月11日必着。くわしくは日本×画展ホームページわくわくイベントをご覧ください。)

 「日本×画展(にほんガテン!)」でしりあがりさんは、横浜美術館で一番天井が高い、11メートルの高さがある第5展示室の、天井から床までまるごと全部を障子紙でおおい、墨だけで絵を描いて「オレの王国、こんなにデカイよ。」を完成させました。一歩足を踏み入れると、しりあがりさんの墨絵に全身が包まれます。しりあがりさんの絵を見ていると、ふっと笑いがこぼれ、こだわりから解放されるような心地よさに誘われます。この不思議な世界をどうぞ体験しにいらしてください。

 なお、ランドマークプラザでは、「日本×画展(にほんガテン!)」出品作家小瀬村真美さんの作品を8月27日(日)まで1Fガーデンスクエアで上映する他、8月19日(土)午後1時より、同じく出品作家中村ケンゴさんのワークショップ「マイ・スピーチバルーン・イン・ヨコハマ」(場所は1Fガーデンスクエア、自由参加で先着30名)が開催されます。     (横浜美術館学芸員 八柳サエ)

投稿者 gaten : 2006年08月04日 15:14

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