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2006年08月25日
美術館、ジャックされる! no.1
「美術館がジャックされる!」
なにやら美術館で不穏な事件がおこったみたいですが、ご安心ください。美術館をジャックしたのは、邦楽です。「邦楽」、つまり日本の伝統音楽。
日本×画展の会期中におこなわれる「わくわくイベント」のひとつとして、横浜美術館・横浜能楽堂共同企画ライブ「邦楽、美術館をジャック!」が開催されます。美術館と能楽堂がはじめてジョイントする企画で、その第1回目が、8月20日(日)に美術館でおこなわれました。
閉館後の午後6時30分に開演。館内にはいると、3階の展示室の方から、すぐさま、妙なる笛の音が聞こえてきます。通常のコンサートと異なり、客席も座席指定もありません。お客さんは、日本×画展の展示室に入って作品を鑑賞しながら、美術館の各所でくり広げられる和楽器の即興演奏に耳をかたむけます。
今回は、新進気鋭の若手邦楽家3名が競演しました。笛の一噲幸弘(いっそう・ゆきひろ)さん、三味線の新内剛士(しんない・たけし)さん、篳篥(ひちりき)の中村仁美(なかむら・ひとみ)さんが、その3名の演奏家です。みずみずしい独奏の後、終演間際には、はげしくも繊細なジャム・セッションがあり、じつに新鮮な2時間でした。
小瀬村真美さんと松井冬子さんの作品の前で情緒あふれる新内節を披露した新内剛士さんは、しりあがり寿さんの展示空間では、一転、映画「スティング」のテーマ音楽を、中村ケンゴさんの作品の前では、ジャズのスタンダード・ナンバー「Take Five」を三味線で演奏し、お客さんを和ませました。

「オレの王国、こんなにデカイよ。」のなかで演奏する新内さん。
藤井雷さんの「絵手紙」の前で、最後におよそ15分にわたってくり広げられた緊張感に満ちたジャム・セッションは、和楽器の豊かな可能性を示してくれました。

《絵手紙》の前で演奏する一噲さん、新内さん、中村さん(左から順に)。
「邦楽、美術館をジャック!」は、9月にもおこなわれます。9月4日(月)は歌、三線の仲嶺伸吾(なかみね・しんご)さん、中村仁美さん、尺八の藤原道山(ふじわら・どうざん)さんが、9月9日(土)は歌、箏、三絃の奥田雅楽之一(おくだ・うたのいち)さん、仲嶺伸吾さん、中村仁美さんが、日本×画展に触発されて、和楽器のすばらしい音色を響かせる予定です。美術館のミュージアムショップと能楽堂でチケット(2000円)を好評発売中です。是非、ご来館ください。
(横浜美術館主任学芸員 柏木智雄)
投稿者 gaten : 2006年08月25日 15:31