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2006年05月19日

イサム・ノグチ探険記5月13日no.9

 これまで美術館の中でしか、イサム・ノグチの作品を見た事がありませんでしたので、今回初めて野外に於ける作品群に出会えることに、かなりの期待感を持って参加致しました。然しながら作品群と呼ぶには、数点としか言いようのない数少ない作品が、それも、これがその作品のひとつですよ、とスタッフの方に教えて戴いて初めて判る作品もあり、正直淋しい思いをしたことは否めませんでした。それでも、数少ないその中に古代城壁の門とも呼べそうな作品(「児童館の門」)は重厚で存在感があり、まるで先史時代の石造物が発掘作業により現代に甦ってきたような錯覚を覚えました。
 又、当初トイレとして作られ、現在は物置として使用されている作品(旧「公衆便所」)の内部を特別に見学させて戴きましたが、ヨーロッパの田舎に見られるロマネスク様式の小さな礼拝堂を思わせ、美しい曲線と天井からの明かりが、狭い処に居ることを忘れさせる不思議な空間でした。そして、天井の“明かり取り”として作られた4個の煙突状の建造物は、近くから観察すると、まるで一頭の馬の“蹄“のようにも見えながら、部屋内部の明かり取りとしても、立派に機能していることが伺え、偉大な彫刻家にして建築家でもあり、子供の目線に合わせた作品造りは、立派な造形作家と呼んでも良いのではと思いました。それにしても、働き盛りの頃は、まだ反日感情の強かった時でもあり、又、一方この日本では、一切の遊具を排除し土地の起伏の変化を利用した公園造りは余りにも時代を先取りしていたのでは?と思えてなりません。近頃になって、やっと物質文明を避け一切の遊具を置かない様々な形態の公園が、一部に見られようになったことを思いますと、もし、イサム・ノグチが今も健在であれば、どんな作品をどのような形で我々に見せてくれただろうかと思わずにはおれませんでした。きっと彼は自分の作品を室内に置くよりは、公園の中で、子供たちの遊び道具のひとつとして、風景の中に溶け込んでいる自分の作品を選んだのではないか、と思いました。
 現在残されている彼の残した作品を見守り、後世にしっかり残すことが、私達のせめてもの義務ではないか、と思った次第です。又、こどもの国にもお願いして、園内の案内地図にも取り入れて、一般の方々にも紹介して戴ければ、と願っております。(横浜美術館市民ボランティア 匿名希望)

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旧「公衆便所」の内部

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「児童館の門」

投稿者 noguchi : 2006年05月19日 14:12

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