2007年10月10日
ユリー・ケンサク「桃太郎ガールの冒険」インターンスタッフによるレポート(最終)
ユリー・ケンサクさんによる滞在制作プロジェクト「桃太郎ガールの冒険」インターンスタッフの多摩美術大学4年生、諸岡智子さんによる、プロジェクト最終レポート。
撤去時の様子をご紹介します。
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アートギャラリー2で開催されていた滞在制作「桃太郎ガールの冒険」が先日9月17日に無事終了日を迎えました。その翌日18日は、この日まで日本にいられなかったユリ−さんのぶんまで、制作展最後の大仕事でもある撤収作業を行いました。
この会場で毎週行われていたオープンスタジオ。ユリ−さん本人が目の前で制作する様子を見たり、話をする中でもたくさんの驚きがありました。が!その驚きは撤収作業日のこの日にもやはりあったのです。
彼女が制作した作品を無事にタイへ届けるため、作品をひとつずつ丁寧に梱包していた時のことです。ある作品(四角いガラスケースの中がひとつの部屋にみたてられていて、中に仕込まれたライトがチカチカと点滅する中で、ももちゃんがひとりたたずんでいる作品)を梱包しようとした時、あることに気がつきました。
「あれ、、、この中にいるももちゃんどうやってこの位置に置いたの?!」
このガラスケースは、指が1〜2本入るくらいの小さな丸い穴が角にひとつあるだけで、ケースを開けたり閉めたりすることはできません。にも関わらず、ももちゃんはその唯一の出入り口となる穴から一番遠く離れた所にいて、その上しっかりと接着までされているのです!(例えて言うならば、ジュースの空き瓶の底に、小指の爪サイズの人形の足裏がぴったりくっついているような状態です。)
そこにいた全員が「どうやって?!」と必死に考えましたが「接着剤を塗ったももちゃんを中に落としたら、その位置に奇跡的にくっついた?」という案しか出てきませんでした、、、。

(C)Takashi Arai
この時ふと思ったことがありました。私たちは作品を観るとき、それが実際に誰かによってつくられているというんだという現実をあまり想像していないのではないかということです。だからこそ、この作品がどうつくられたものなのかと考えるとき、つくり手の<つくる力>に改めて出会い、とても驚くのではないでしょうか。「ありえない!」と私たちが思うことでも、実際にそれをつくった人がいるという現実は何にも代えがたい感動があります。ユリ−さんはこんな風に、最後まで私たちをびっくりさせるんだなぁと、小さくにやけてしまいました。
(多摩美術大学 諸岡智子)
2007年09月18日
ユリー・ケンサク展終了しました。
2007年9月1日よりアートギャラリー1にて開催しておりました、
「ユリー・ケンサク展 桃太郎ガールの冒険」は、9月17日に終了しました。
短い会期にもかかわらず、大勢の方にご来場いただき、
ユリーさんや作品に対して暖かいメッセージをたくさんお寄せいただきました。
いただいたメッセージはすべてバンコクのユリーさんにお送りします。
ありがとうございました。
2007年09月16日
ユリー・ケンサク展、明日(9/17)までです。
9月1日よりはじまった「ユリー・ケンサク展 桃太郎ガールの冒険」も明日が最終日です。
桃太郎ガールの冒険物語を横浜美術館でご覧いただけるのも明日まで。
晴れガール、ユリーさんのパワーか、最終日の明日も横浜周辺は晴れの予報。
バンコクへ帰る桃太郎ガールにぜひ会いにいらしてください!

2007年09月12日
ユリー・ケンサク展オープニングレポート(9/1)
ユリー・ケンサク展がはじまり1週間。
すでに1000人以上のお客様にご来場いただき、
ユリーさんの作品を楽しんでいただいています。
少し遅くなりましたが、
ユリー・ケンサク展のオープニングの様子を、
インターンスタッフの諸岡智子さんがご報告します。
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ユリー・ケンサク展「桃太郎ガールの冒険」が今日9月1日から始まりました。初日となる今日はアーク・フォンスムットさん(バンコク大学ギャラリー キュレーター)をお迎えし、記念レクチャーも行われました。
ついこの間まで制作スタジオだったアートギャラリー2は、展示会場として姿を新たにしていました。会場には、彼女が日本の横浜という都市に滞在する中での出会いや発見に満ちた数々の作品が展示されています。彼女が日本に訪れて初めて目にする風景、初めて口にする食べ物、初めて耳にする音。もの、場所、言葉、人、、、「日本」。彼女はたくさんの「日本」と出会い、発見し、それらと会話をするように制作をしているかのようでした。
この滞在制作は桃太郎という日本昔話からはじまりました。そして今、タイからやって来た桃太郎ガールの冒険記が彼女にとっての日本「今」話としてこの横浜美術館アートギャラリー2で語られています。
また、私たちにとってそれらの作品を鑑賞することは、そこにある「出会い・発見」を通じてもう一度日本と出会いなおすきっかけなのかもしれません。この会場にある作品たちの「出会い・発見」は、日本で生活する私たちにとって当たり前すぎて気に留めることもできない「日本」ばかりだからです。
「そういえば、こんなもの見たことあるなぁ」
「あれ?そういえばこれってどういうことなんだろう、、、」
そんな風に作品に出会うことで自分の目の前にある日常とあらためて出会い、発見できる。アートギャラリー2では、そんな「出会いの場」展覧会が開かれています。
↑ユリー・ケンサク展 会場風景 (C)Takashi Arai
記念イベントとして行われたアーク・フォンスムットさんによるレクチャーにもたくさんの方々が訪れ、会場の座席はあっと言う間に満席に。急いで席が追加されていきました。
レクチャーはタイにおける今日の現代美術のあり方や、アークさんが考えるユリー・ケンサク作品の魅力といった内容が中心となり進められていきました。タイという国がこれまでどのような歴史を歩み、その歴史が今日のタイ現代美術とどのように関係しているのか。そして、タイ現代美術を担う一人でもあるユリー・ケンサクさんが制作する作品を通じて、タイ現代美術の現状などについて語られました。
レクチャー終了後にはささやかなレセプションパーティーが開かれました。ユリーさんはもちろんのこと、ユリー・ケンサク展やレクチャーに足を運んで下さった方々。レクチャーに参加していただいたアークさんや、通訳の方。日本に滞在されているユリーさんの友人の方々。フライヤーのデザインを手掛けていただいたデザイナーの方々、美術館スタッフなど(言い出したらきりがないのですが)、会場に居合わせたたくさんの人たちがパーティーに参加していました。会場は和気あいあいとした雰囲気につつまれ、たくさんの会話がにぎやかに飛び交っていました。そんな中、ユリーさんは訪れたたくさんの人々に囲まれ引っ張り凧です。
初日を無事に終えユリーさんもホッとした様子。とても楽しいひとときを過ごしているようでした。
(会場にはオープンスタジオの時にみなさんに描いていただいたぬり絵も展示されています。ぬり絵をした方も、そうでない方も、是非観に来て下さいね。)
(多摩美術大学 諸岡智子)
2007年09月06日
ユリーさんタイへ帰国
9月5日(水)台風接近で湿ったあたたかい風が吹くこの日の早朝、ユリーさんは約1ヶ月半の横浜美術館での滞在制作を終え、故郷であるタイ、バンコクに向けて出発しました。
↑成田空港行きのバスに乗るユリーさん。
数時間後、ユリーさんは晴天のバンコクスワンナプーン国際空港に到着。空港には、お友達が迎えにきていて「今日はお天気がいいけれど、ユリーさんがいない間バンコクはずっと雨だったよ。」とユリーさんに話していたそうです。そういえば、横浜はユリーさんが来日してからというもの猛暑続きで雨が降る日はほとんどありませんでした。そしてユリーさんが帰国後は、バンコクに晴天がもどり、日本には台風の大雨がやってきました。
桃太郎ガールユリーさんは、その明るい人柄と笑顔に似た「太陽」とともに旅していたかとも思える不思議なお話でした。
ユリーさん、1ヶ月半おつかれさまでした。
これからもお元気でご活躍ください。
Yuree-san, see you again soon in Yokohama!
2007年09月02日
ユリー・ケンサク展がはじまりました。 >>> 9/17まで
9月1日より、ユリーさんにとって日本で初めてとなる個展がはじまりました。
本展では、約1ケ月半の間横浜に滞在し、横浜美術館アートギャラリー2内のスタジオで「桃太郎ガールの冒険(The Adventure of Momotaro Girl)」をテーマに制作した新作18点と、先にユリーさんがチュラロンコン大学アートセンターでの個展のために制作した作品4点、計22点を展示いたします。あわせて、滞在制作期間中に開催したオープンスタジオに来場したお客様とのコラボレーション作品、滞在中のユリーさんの制作の様子をご紹介します。
ユリーさんが日本での生活や体験を作品に取り入れながら描きだした、小さな「桃太郎ガール」の冒険物語をどうぞご覧ください。
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ユリー・ケンサク展 桃太郎ガールの冒険
Yuree Kensaku: The Adventure of Momotaro Girl
会期:2007年9月1日(土)〜17日(月・祝)
10:00〜18:00
休館日:毎週木曜日 入場無料
会場:横浜美術館アートギャラリー2
【記念レクチャー】
バンコク大学アートギャラリーのキュレーターとして、Brand Newプログラムにおけるケンサクの個展のキュレーションしたアーク・フォンスムット氏による記念レクチャー。タイを中心に自身がかかわるアートプロジェクトを参照しつつ、ケンサクの作品についてお話しします。
講師:アーク・フォンスムット Ark Fongsmut(バンコク大学ギャラリーキュレーター)
日時:2007年9月1日(土) 16:00〜17:00
会場:横浜美術館 アートギャラリー2
※逐次通訳つき、聴講無料
主催:横浜美術館(横浜市芸術文化振興財団)
協力:トヨタ財団
↑初日9月1日の会場風景
↑記念レクチャーの様子
↑会場を案内するユリーさん
↑コラボレーションによるぬりえ作品
2007年08月24日
ユリー・ケンサク展会場案内ボランティア募集のお知らせ >>> 募集は終了しました
横浜美術館での滞在制作プログラム、アーティスト・イン・ミュージアム横浜(AIMY)に参加している、タイのアーティスト、ユリー・ケンサクさんの展覧会会場における作品解説と作品の見守りをお願いします。
【期間】2007年9月1日(土曜)〜17日(月曜、祝日)
【場所/時間】活動場所 アーティスト・イン・ミュージアム横浜 活動時間:10時〜18時(途中休憩1時間+α)
【募集人数】 2007年9月1日(土)〜17日(月/祝)のうち、木曜日を除く各日2名づつ。
【対象/申込条件】 1日通しで参加可能な方。期間中2日以上参加可能な方。一人何日でも応募可。9/1(土曜)午前11時に会場で開催するオリエンテーションに参加できることが望ましいですが必須ではありません。
【待遇】報酬、交通費の支給はありません。ボランティア活動保険を適用します。
申込方法については、当館ホームページ上のボランティアWeb告知板をご覧ください。

ご応募おまちしています。
2007年08月19日
『桃太郎ガールの冒険』インターンスタッフによるレポート4
3回目のオープンスタジオは、今や横浜の夏の風物詩の一つとなった、
ハマこい踊りの初日に行われました。
表はおそろいの衣装に身を固めたハマこい踊りの参加者であふれ、
にぎやかな音楽とリズムが美術の広場に響き渡りました。
熱気あふれるハマこいダンスにユリーさんもびっくり。
そしてこの日は、ハマこいの音とリズムにひきよせられてか、
たくさんの親子連れが美術館に来館。
ユリーさんの作品に色をつける、コラボレーションコーナーも終日大にぎわいでした。
その様子を、インターンスタッフの諸岡さんがレポートします。
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第三回オープンスタジオの今日、アートギャラリー2の目の前にある正面入口前の広場では「ハマこい祭り」が開催され大変にぎわっていました。ハマこい祭りを見に来た人たちは、広場のすぐそばにあるこの部屋を窓からのぞいたり、中に立ち寄って展示を見たり、ぬり絵をしたりと、オープンスタジオにもたくさんの人が訪れました。


先週にひき続き、アートギャラリー2にはたくさんの新しい作品たちが仲間入りしていました。そして、やはりその作品たちは私たちを楽しませてくれるものばかりです。
その中でも特に驚いたのは「からあげクン」(コンビニ商品)をモチーフにした作品です。これは、唐揚げが入っていたパッケージに少しペインティングをしたものなのかな?と思いきや、、、?!(ここで説明したい気持ちは山々なのですが、これは実際に見て驚いて頂きたいと思います。)
彼女の作品には、彼女が日本で出会ったたくさんのモチーフが使われています。また、そのひとつひとつに小さなお話が描かれています。
「私(ユリーさん)が食べ終わったからあげクンのパッケージを置いておくと、ももちゃん(ユリーさんは桃太郎ガールのことをももちゃんと呼んでいます)が、もう唐揚げが入っていないパッケージの中に、唐揚げを食べたい一心で飛び込んでいく」お話や、「魚のじょうろが、水を与えながら一生懸命育てた桃の木からももちゃんが生まれ、ももちゃんが海で魚と仲良く遊んでいる」お話など。

彼女がつくる作品を見ていると、まるで本から飛び出してきたたくさんのお話に出会っているかのようです。
この日は色々な人が訪れ、色々な会話が飛び交っていました。中には以前にタイへ留学滞在していた方や、タイ語を勉強している方たちもいらしていてユリ−さんとタイ語で楽しそうにお話する姿も見られました。

にぎやかなオープンスタジオが終了する時間が近づき、ふと壁に目をやるとその壁には訪れた人たちが描いたぬり絵がたくさん貼られていて、白い壁がいつの間にか色とりどりのカラフルな壁になっていました。

(多摩美術大学 諸岡智子)
2007年08月13日
『桃太郎ガールの冒険』インターンスタッフによるレポート3
ユリーさんが来日して、3週間。滞在も半ばをすぎました。
桃太郎ガールの部屋もだいぶにぎやかになってきました。
夏休みでにぎわう週末に開催された2回目のオープンスタジオでは、横浜美術館で博物館実習をうけている、美術を学ぶ大学生のみなさんもおとずれました。
そんな2回目のオープンスタジオの様子を、インターンスタッフの諸岡さんがレポートします。
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毎週土曜日に開かれるオープンスタジオ。一週間ぶりに訪れるアートギャラリー2の風景は先週のものと何かが少し違うように感じました。あれ?と思い部屋をぐるりと回ってみるとアートギャラリー2のあちらこちらで小さな変化が起こっていることに気がつきました。

まず、ユリ-さんの作業テーブル。その上には出来上がったばかりの作品や制作途中の作品たちがいくつも並んでいました。その中には前回のブログで紹介した雷神の携帯電話専用シール(風神ではなく雷神でした)が使われている作品もありました。「何でこのシールを使おうと思ったの?」とたずねると、「『雷神』というものが印象的だったので、使ってみたいと思った。」と、とてもシンプルな返答。そんな会話をしながら何気なく壁に目をやると今度は驚きの発見!なんと壁に設置されている消火栓が、かわいらしいウサギに生まれ変わっていました!消火栓からは長い耳が生え、トレードマークの赤いランプは光る鼻に。消火栓自体はほとんど加工されていないので、一見何の変哲もない消火栓のように部屋に溶け込んでいます。だからこそ、その変化に気づいた時はとても驚きました。それは消火栓がウサギに!と言う驚きと同時に、こんなところに消火栓があったんだ、と言う発見でもありました。もしこのウサギがいなかったら、こんなところに消火栓があるなんて気づけなかっただろうな、そんなことを思いました。
自分の目の前にあるものをじっと見つめて、感じて、それと素直に関わる。ユリ-さんがつくる作品からはいつもそんな印象を受けます。
消火栓のウサギから視線を横に移すと<桃太郎ガールの冒険>の原画が壁にかけられています。なんと先週までモノクロだったその原画たちが、色づき始めていました。原画をみながら何となく想像していた色と、実際にのせられている色がまったく違うことにびっくりしつつ、これからどんな色がのせられていくのだろうとさらに楽しみになりました。
そしてこの日、ユリ-さんはオープンスタジオに訪れた人たちが色ぬりをするテーブルで一緒に作業を行いました。


テーブルを囲む人たちは、もくもくと色鉛筆やクレヨンを使って色ぬりをしていき、最後にその絵たちを壁に貼り、みなさんで眺めていました。あの絵すごいね!この絵のここがおもしろいね!と、色とりどりの絵たちの話に花が咲きました。
(多摩美術大学 諸岡智子)
2007年08月07日
『桃太郎ガールの冒険』インターンスタッフによるレポート2
ユリーさんの来日から10日あまり。初めてのオープンスタジオ、そしてアーティストトークの様子をインターンスタッフの諸岡智子さん(多摩美術大学)がご紹介します。
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横浜もやっと梅雨が明けました、が途端にこの蒸し暑さ。アートギャラリー2から見える噴水の水景色がとても涼しげで水浴びがしたくなるような猛暑の中、第一回オープンスタジオ、そしてアーティストトークが行われました。
アートギャラリー2にはオープンスタジオのために大きなテーブルがひとつと椅子がいくつか用意されました。小さなこどもたちもクレヨンや色鉛筆を使って思いきりぬり絵が出来るようにと机上は紙で覆われ、テーブルにはユリ-さんが描いた「桃太郎ガール」の原画たちを縮小コピーしたぬり絵用紙と、色とりどりのクレヨンや色鉛筆が置かれています。
「よかったら、ぬり絵していきませんか」という呼びかけに、訪れた人たちはちょっとびっくりしながらも自然と椅子に腰をおろし、用紙を選び、色を選んでいきます。いざ色ぬりが始まるとみなさんとても真剣な表情で手を動かし、モノクロの絵はその手のリズムに合わせてみるみるうちに色鮮やかな世界に変わっていき、そうして出来たぬり絵はどれも似たものがありませんでした。どんな色を選ぶのか、薄くぬるのか、濃くぬるのか、重ねてぬるのか、あえて色をおかないのか。もとは同じ絵でも、ひとりひとりのぬり方によってひとつひとつの絵になっていきました。
「ぬり絵が私の原点です」
そんなユリーさんの言葉がふと思い出されました。
訪れた人たちがぬり絵をしている隣のテーブルで、ユリ-さんも作業を行います。彼女専用の作業テーブルの上には彼女が日本に来てから購入した「不思議な制作グッズ」があちらこちらに。一センチ程の小さなお寿司のマグネット。まぐろ、いか、いくら、さば、などなど何種類かのネタがありました。お寿司はもう食べた?ときくと「シーフードがだめだからこれしか食べられない」と指さしたのはたまごのお寿司。
その他にも鶴と亀がセットになっている小さな置物?や携帯電話に貼る風神?のシールなど。彼女が購入してくるものは百円均一ショップで売られているものが多いようなのですが、どれもこれも「こんなもの売ってるの?!何でこれを買おうと思ったの?!」と私たちが驚くものばかり。
ユリ-さんの買い物を通じて私たちも「日本」の小さな再発見を、そして日本という国が彼女の目にどんな風に映っているのかを垣間見た時間でした。
しばらくするとアーティストトークをサポートしてくださる通訳の方がいらっしゃいました。ユリ-さんと通訳の方が打合せを行っている間に機材や座席のセッティングを施し、すべての準備が整ったところで今日の二つめのイベント、アーティストトークが始まりました。
今回のアーティストトークは、彼女がこれまでに行ってきた制作活動・作品の紹介や今回のプロジェクトの概要説明・紹介を通じてのユリー・ケンサク自身の紹介、といった内容のものでした。プロジェクターを使いスライド上映をしながらユリ-さんが英語で紹介をしていき、それを通訳の方が日本語に訳していく。アーティストトークはそのように進められていきました。
本プロジェクト<桃太郎ガールの冒険>について語られる中で「絵の中に描かれている桃太郎ガールは私自身でもあり、想像上の人物でもあります。」というユリ-さんの言葉がとても印象的でした。このスタジオに展示されているモノクロの<桃太郎ガールの冒険>が、これからここ日本でどのように色づきはじめ、どんな色を奏でだすのか。
今後の桃太郎ガールに乞うご期待!です。
(多摩美術大学4年 諸岡智子)
2007年08月02日
オープンスタジオ(1回目)のお知らせ
ユリーさんが来日して、10日たちました。7月中は、はじめての日本を知るために、街歩きと素材探しをしていたユリーさん。8月1日からいよいよ本格的に制作を開始しました。

↑
まずは、タイの市場で買ってきたオブジェに、日本で購入したパテをつかって造作を施していきます。
↑
日本のおもちゃや、100円ショップなどでみつけた文房具などがきちんと窓辺に並べられています。これがどんなふうに作品にとりいれられていくのでしょう。

↑
こちらは、ユリーさんがタイで描いてきたドローイングを元にした塗り絵。
オープンスタジオ時に、会場にいらしてくださった方、特に子どもたちに色を塗ってもらいたいとユリーさんは考えています。
そのユリーさんのスタジオを公開し、ユリーさんご本人にこれまでの活動についてお話いただくアーティストトークが今度の土曜日、8月4日に開催されます!
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8月4日(土曜)のオープンスタジオのお知らせ
○アーティスト・トーク
16時から17時
会場:アートギャラリー2
逐次通訳つき、聴講無料
○来場者とのコラボレーションによる作品制作
オープンスタジオ会場にて、ご参加いただけます。
14時から17時
ユリーさんが「想像の中の日本」をテーマに制作したドローイングによる塗り絵を、来場した方が色鉛筆で塗って完成させます。
どなたでもご参加いただけます。
2007年07月29日
『桃太郎ガールの冒険』インターンスタッフによるレポート1
これまでのAIMYの数々のプログラムがそうであったように、ユリーさんのプログラムもまた、ボランティアのみなさんやインターンスタッフの協力に支えられています。
昨日は、毎週土曜日のオープンスタジオの時に、ユリーさんと来場者の共同制作をサポートしてくださるボランティアのみなさんにむけてのオリエンテーションを行いました。
その様子を、インターンスタッフである多摩美術大学の諸岡智子さんが報告します。
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今日はユリーさんと、これからこのプロジェクトをサポートしていただくボランティアの方々、そしてインターンシップ生との顔合わせを兼ねたオリエンテーションを行いました。集合時間が近づくにつれて、このプロジェクトの拠点地となる「アートギャラリー2」にひとり、またひとりと少しづつ人が募ってきます。ユリーさんはこの部屋にやって来る初対面の人達ひとりひとりに、とても丁寧な挨拶をしていました。「ハジメマシテ」、「ヨロシクオネガイシマス」というまだ慣れない日本語に、たくさんの気持ちが詰め込まれていました。
全員集まり、準備もできたところでオリエンテーションが始まりました。まず、このプロジェクトの概要を説明し、続いてプロジェクターを使ってユリ-さんが制作してきた作品をスライド上映しながらユリーさん自身による作品紹介。


ひととおりの紹介が終わり拍手が止んで、見ていた人たちが作品の印象について話し始めたところ、いつのまにか「ユリ-さんには是非ジブリの森にいってもらおう!」なんて話にまでふくらんでいました。オリエンテーション自体が終わった後もボランティアの人達が部屋にある作品の現物を見ていたり、それぞれユリーさんと話していたり、自然とみなさんで集まって話していたり。
そんな風に互いが互いに知り合おうとする気持ちがごく自然に表れてくる、このオリエンテーションはそんな会になっていました。
(多摩美術大学4年 諸岡智子)
2007年07月27日
『桃太郎ガールの冒険』

こちらが、今回のプロジェクトのために、ユリーさんがバンコクで制作した10点のドローイングイメージをおさめた小冊子です。
今回のプロジェクトのカタログであると同時に、このように中のドローイングに色鉛筆やマーカーなどで、自由に色をぬることができるようになっています。

表紙をあけるとすぐ、桃太郎ガールの冒険物語がはじまります。
「桃の女の子の冒険」
昔々、といってもそう遠くない昔、
一人の女の子がおりました。
彼女が誰なのか、どこからきたのか、なぜ‘ちっちゃい’のか、
そしてどうして泣いているのか、誰も知りませんでした。
もしかすると女の子は、自分が他の人とは違うから泣いていたのかもしれないし、
とてもとても寂しかったのかもしれません。
あるいは、女の子の美しい桃が、以前とはかわってきていたから泣いていたのかも
しれません。
だんだんとかわっていく桃の上で彼女は泣きじゃくっていました。
泣いて、泣いて、泣いて、、、あふれる涙はやがて、氷のように冷たく澄んだ、
清らかな流れとなりました。
しかし、女の子は泣くのをやめませんでした。
女の子は船のようになった桃にのったまま、あちらこちらとただよいました。
やがて奇妙な夢のような場所についたとき、女の子は泣くのをやめました。
そして、そこから冒険がはじまったのです。
桃太郎ガールの冒険はこの先、ドローイングで描かれていきます。時間と空間、過去と現在を自由に行き来する桃太郎ガールの冒険に乞うご期待!
2007年07月26日
関連イベント一覧表
今回の滞在制作中のイベントを、改めて日にち別にご紹介します。
8月4日(土)
・ オープンスタジオ:13時から17時
・ コラボレーションによる作品制作:14時から17時
・ アーティスト・トーク:16時から17時
8月11日(土)
・ オープンスタジオ:13時から17時
・ 美術館スタッフによる、オープンスタジオガイドツアー:13時30分から50分まで
・ コラボレーションによる作品制作:14時から17時
8月18日(土)
・ オープンスタジオ:13時から17時
・ 美術館スタッフによる、オープンスタジオガイドツアー:13時30分から50分まで
・ コラボレーションによる作品制作:14時から17時
8月25日(土)
・ オープンスタジオ:13時から17時
・ コラボレーションによる作品制作:14時から17時
9月1日(土)
・ アーティスト・トーク:16時から17時
基本は毎週土曜日です。土曜の午後、お気軽にアートギャラリー2におたちよりください。会場で制作中のユリー
2007年07月25日
ユリー・ケンサク滞在制作+展覧会 概要
横浜美術館 アーティスト・イン・ミュージアム横浜2007
ユリー・ケンサク滞在制作+展覧会
桃太郎ガールの冒険
Yuree KENSAKU: The Adventure of Momotaro Girl
滞在期間:2007年7月24日(火)〜9月4日(火)
オープンスタジオ(スタジオ公開日):8/4(土)、11(土)、18(土)、25(土)
[計4日]
展覧会会期:2007年9月1日(土)〜17日(月・祝)[開催日数:15日間]
制作スタジオおよび展覧会会場:横浜美術館アートギャラリー2
ユリー・ケンサクは1979年、タイ、バンコク生まれ、2002年にバンコク大学美術学部を卒業後、2003年にバンコク大学アートギャラリーの新進作家選抜企画"Brand New"に選ばれ、個展を開催しました。その後数多くのグループ展への招聘をはじめ、2004年より毎年、100TONSON Gallery(バンコク、タイ)で個展を開催、2007年にはチュラロンコン大学アートセンターにて個展"Love in a platinum frame"を開催するなど、精力的に発表を行っています。現在もバンコクを拠点に活動する彼女は、タイのアートシーンにおいて最も注目される若手アーティストの一人です。
彼女はキャンバス、紙、アルミニウム、プラスティックや金属の器等を支持体に、アクリル絵の具やエナメル塗料などを用い、マンガのキャラクターのような大きな目と豊かな表情をもつ人物や動物を、ポップな色彩で描きます。平面作品に自作の人形やマーケットで購入したチープな日用品を組み合わせたり、装飾用のライトボックスに直接描画し、平面やオブジェと組み合わせたインスタレーションなど、様々な表現により、愛と孤独、出会いと別れ、恋する喜びと切なさ、そして人のこころのうつろいやすさといった彼女が紡ぎだす物語へといざないます。
初来日となる今回彼女は、約1ケ月半の間横浜に滞在し、横浜美術館アートギャラリー2内の特設スタジオで制作を行います。「桃太郎ガールの冒険(The Adventure of Momotaro Girl)」は今回の滞在制作におけるテーマです。生まれ育った街を出て、はじめての海外生活に挑む自身の姿に、日本の昔話である桃太郎の物語を重ねながら、自分の体験を通して新しい物語を描き出します。
今回のプロジェクトでは、日本の子どもたちとのコラボレーションによる作品制作も行います。来日に先立ち彼女は、線描によるドローイングをバンコクで制作します。来日後、そのドローイングに彼女自身が着彩し完成させるとともに、ドローイングを原画とした塗り絵を制作し、オープンスタジオ時に会場にやってきた日本の子どもたちに塗ってもらいます。日本人の父とタイ人の母のもとに生まれ、幼い頃から日本のマンガやアニメーションに親しんできた彼女は、日本のマンガ塗り絵が自身の絵画制作の原点であるといいます。日本の子どもたちとの共同制作は、自身がたどってきた絵画へ親しむ過程の追体験であると同時に、自身のうちに漠然とある「日本」を確認し、満たすきっかけとなるでしょう。
期間中、アーティスト・トークやオープンスタジオなどケンサクの作品世界を紹介する様々なイベントを行います。また9月1日より、日本での初個展をアートギャラリー2にて開催します。
関連事業:
○アーティスト・トーク
第1回 2007年8月4日(土)16:00~17:00
第2回 2007年9月1日(土) 16:00~17:00
会場:アートギャラリー2(予定)
※逐次通訳つき、聴講無料
○オープンスタジオ
8/4(土)、11(土)、18(土)、25(土) 13:00~17:00
滞在制作中のスタジオを公開します。
オープンスタジオ実施日には以下のようなイベントを行います。
☆美術館スタッフによる、オープンスタジオガイドツアー
8月11日(土)、18日(土) 13:30~13:50
ユリー・ケンサク滞在制作の担当スタッフによるオープンスタジオガイドツアー。滞在制作の経過や作品についてお話しながら、一緒にスタジオ内を見学します。参加無料。
☆来場者とのコラボレーションによる作品制作
オープンスタジオ会場にて、ご参加いただけます。
実施日:8/4(土)、11(土)、18(土)、25(土) 14:00~17:00
ケンサクが制作したドローイングをもとにした塗り絵を、来場者が完成させます。
本作品は9月1日から開催されるユリー・ケンサク展にて展示されます。
2007年07月24日
ユリー・ケンサクさんが来日しました。
本日、ユリー・ケンサクさんが来日しました。
機中で1泊し、早朝到着したユリーさんは成田から横浜に直行。
滞在先のアパートに荷物をおいたあと、早速横浜美術館に来館し、スタッフ全員の歓迎をうけました。
今日から9月4日まで、ユリーさんは横浜美術館を拠点に滞在制作を行います。
滞在制作を行うアートギャラリー2は現在こんな様子、、、。


通常このスタジオは非公開ですが、8月中の毎週土曜日、13時より17時までオープンスタジオと称し、ユリーさんの制作現場を公開します。ここでは、ユリーさんと来場者との共同制作を行うほか、トークなどのイベントも行います。
また、9月1日からの、ユリーさんの日本初個展もこの同じスペースで行います。
これからここがどんなふうに作品でうめられていくのか、楽しみです!
2007年07月21日
バンコクでのミーティング
今回の横浜美術館でのプロジェクトは、ユリーさんにとってはじめての来日、そしてはじめての海外での制作になります。短い滞在期間中にどのようなプログラムを盛り込むか、ユリーさんの提案したプランを元に、打ち合わせを行いました。
真剣な表情のユリーさん。会場の写真や平面図などを見ながら、制作の環境や素材の入手場所など、質問を次々となげかけます。
100TONSONギャラリーのスタッフ、Qさんも打ち合わせに加わります。英語があまり得意ではないユリーさんを、言葉の面からサポートしています。過去に日本に滞在したことのあるアーティストや、Qさんの意見にも耳をかたむけながら、ユリーさんはだんだんと横浜での滞在制作のイメージを固めてきたよう
2007年07月20日
ユリー・ケンサク展「プラチナフレームの中の愛」レポート
ユリー・ケンサクさんは、今年の4月から6月にかけて、タイの首都バンコクにある名門大学、チュラロンコン大学のアートセンターで個展を開催しました。その個展の様子を少しご紹介します。
チュラロンコン大学アートセンターは、チュラロンコン大学のセンター・オブ・アカデミック・リソースという、図書館を含む総合情報センターの7階にあります。
ここでは年間8回ほど、タイ国内の若手アーティストを中心に海外の現代美術の動向を積極的に紹介する企画展を開催しています。アクセスもよく、大学という落ち着いた環境にあるギャラリーで、学生や子どもたちも気軽に展示をみにやってきます。過去には現在当館で個展を開催中の現代美術家、森村泰昌さんや、写真家の荒木経惟さんらも展覧会を開催したことがある、バンコクのアートシーンを語るうえで欠かす事のできないスペースです。
ユリーさんは、2006年に100TONSONギャラリーで開催した個展の出品作を軸に、新作のペインティングやインスタレーション、オブジェ作品あわせて55点を展示しました。
展覧会のテーマはずばり「愛」。彼女の描く「愛」をめぐる様々な場面が、広い会場いっぱいにひろがります。


こちらは展覧会タイトルにもなった作品《love in the platinum frame》。
台座が回転し、光を反射してきらきらと輝きます。
プラチナの枠にまもられた愛は永遠と言うけれど、
実はガラスケースの中で守らなければならないほどはかなくもろいもの、、、。

この展覧会のための新作、《the cold blue ocean …》は、縦1.1メートル横3.9メートルにもおよぶペインティングに小さな陶製の亀のオブジェをくみあわせたインスタレーション。“大きな女の子”と“小さな男”、人魚、蛇、山など彼女の作品におなじみのモチーフが描かれています。大きな女の子が流す涙がやがて海になり、その海に様々なものがうかび流れてくる、という設定は、今回の横浜での滞在制作のための新作ドローイングに通じるものがあります。
こちらは《sex(ual-trad)ition》というタイトルの作品。ドア越しに覗き見をする男がモチーフのこの作品は、カーテンにみたてたキャンバスにアクリルで描かれています。キャンバスはカーテンのひだのように成形され、本物のカーテンレールにつりさげられた形で展示されています。
《drifting away》は、金属製のケーキ型に描かれた作品。木でできた男が、腕にしがみつく昔の彼女を自らの腕と共に切り離し、新しい恋人と見つめ合う姿が描かれているという、ちょっぴり悲しいお語です。
会期中には、ユリーさんがバンコクのろうあ学校の3〜4年生とともに行ったワークショップの様子が展示されていました。彼女にとって、こどもたちとのワークショップははじめての試み。最初に一緒に展示をみたのち、4人の小学生に「自分にとっての愛」をテーマに絵画を描いてもらい、また紙粘土とガラスやビーズなどをつかって立体の作品を共に作ったのだそうです。
会場に流れていた記録ビデオからは、熱心に展示をみたり、制作に夢中になっているこどもたちの様子がみてとれました。
このときの経験をふまえて、ユリーさんは今回の横浜での滞在中のプログラムを考えてきました。桃太郎ガールの冒険はここからはじまっていたのかもしれません。
2007年07月09日
ユリー・ケンサク「桃太郎ガールの冒険」がはじまります。
7月24日より、今年2人目のAIMYアーティストとしてタイ、バンコクからユリー・ケンサク(Yuree KENSAKU)さんが来日します。

ユリー・ケンサクさん
ユリーさんは1979年生まれ。バンコク大学美術学部を卒業後、2003年にバンコク大学アートギャラリーの新進作家選抜企画”Brand New”に選ばれ、個展を開催しました。その後、毎年個展を開催し、グループ展へも出品するなど、現在タイのアートシーンで最も注目される若手アーティストの一人です。
素顔のユリーさんは、ショートヘアにガーリーなTシャツがよくにあう、とてもかわいらしい女性です。でも制作はとてもパワフル。おおきな皿形の支持体にアクリル絵具や油絵具、スプレーペイントなどで大胆に描かれる絵画や、画面からとびだしてきたようなオブジェの制作など、様々な表現によって彼女の物語世界に見る人をひきこんでいきます。

Hopeless action
2006年
(big painting) 120x120x25cm
(small painting) 34x42x12cm
スプレー、アクリル、油彩、アルミニウム
今回の滞在制作では、「桃太郎ガールの冒険」というテーマのもと、新作ドローイングの制作のほか、夏休みに来館する子どもたちとのコラボレーションによる作品制作を計画しています。「桃太郎ガール」って何?どんな冒険にくりだすのか?その秘密をこれから少しづつこのブログでご紹介していきます。
どうぞお楽しみに!