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2007年03月31日
石田尚志ワークショップレポート(3/25キネカリグラフィに挑戦)
ワークショップ最終日には、キネカリグラフィに挑戦しました。先日の映画上映会「動く絵の冒険」では、この手法を用いた作品、ノーマン・マクラレンの『ブリンキティ・ブランク(線と色の即興詩)』が上映されましたが、キネカリグラフィとは、フィルムを直接針のようなもので引っ掻いたり、ペンや絵の具で色をつけたりして、それを連続再生するもの。このワークショップでは、1人が24コマ〜50コマ(1〜2秒)の長さのフィルム数本に描きました。
↑黒やグレー、撮影した16ミリフィルムに…
↑色ペンや針で描きます。
↑描き終えたら、みんなのフィルムをつないでできあがり!
つないだフィルムを16ミリ映写機で上映。シンプルな作業から生まれた楽しい映像に参加者全員大興奮でした。
また、この日の作業の合間には、リュミエール兄弟による世界最初の映画『列車の到着』や『工場の出口』、また、ジョルジュ・メリエス『月世界旅行』などの映像作品を石田さんの丁寧な解説付きで鑑賞しました。
このワークショップでは、映像制作の手法のほんの一部分を体験してきました。参加した皆さんにとって、「絵が動く」という純粋な喜びに触れる3日間となったのではないでしょうか。
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さて、アーティスト・イン・ミュージアム横浜(AIMY)2006「石田尚志映像制作プロジェクト 生成する壁」は、この日を持って、すべてのプロジェクトが終了しました。11月からの約5ヶ月にわたり、滞在制作、上映会、ワークショップやトーク、さまざまな側面から石田尚志の生の魅力を紹介してきました。
そして、4月より、アーティスト・ミュージアム横浜2007がスタート!淀川テクニックが横浜美術館にやってきます!!
2007年03月30日
石田尚志ワークショップレポート(3/18コマ撮りアニメーション)
翌日18日は、石田さんが制作で用いている手法「コマ撮りアニメーション」制作にとりくみました。参加の皆さんが2つのグループにわかれて、まずは作戦会議から。ひとつのグループは、「紙ねんど」を使って、もう一方のグループは、「関節人形」とグループメンバーが登場して撮影する事になりました。(写真右)
「紙ねんど」グループは、パッケージの状態から撮影スタート(写真 左)。約60個の紙ねんどを使って、少しずつ形を変えながら撮影を行い、コミカルな動きのある映像ができあがりました。後半は、絵の具の着彩にも挑戦しました(写真 右)。

こちらは、「関節人形」グループ。撮影には、30センチくらいの小さな関節人形とともに、グループメンバーの皆さん6名が順に登場。カメラと被写体距離を利用した映像効果などを活用しながら、鏡やパーテーションを用いて、実験的な撮影を試みました。

最後に、撮りためたコマ撮り画像をつなげて再生したものを、みんなで鑑賞しました。動かないもの(紙ねんどや関節人形)が、動き出す感動とともに、約5時間をかけて撮影した映像のあまりの短さに驚き!コマ撮りアニメーションの奥深さを感じた一日でした。
この2本の力作は、石田さんにより、逆回転や反復などを用いてさらに魅力を引き出した形に編集されることになりました。
2007年03月29日
石田尚志ワークショップレポート(3/17おどろき盤づくり)
AIMY2006「石田尚志・映像制作プロジェクト 生成する壁」の最後のプログラムとなる石田尚志ワークショップ「動く絵」が3月17日、18日、25日の3日間にわたって美術館内にある市民のアトリエで開催されました。
初日の17日は、「おどろき盤」づくりに挑戦しました。
「おどろき盤」(フェナキスティスコープ)は、1830年代に考案された映像装置です。円盤の周囲にスリットを入れて、その間に少しずつ変化させた絵を描き、その面を鏡に向けて回転させ、スリットの間から覗くと鏡に映った絵が動き出す(ように見える)というもの。

ワークショップは、石田さんによる、制作手順とそのポイントの説明から始まり、制作へ。片面が黒い厚紙を円に切抜き、スリットを入れ(写真 左)、その間(12〜16コマ)に絵を描いていきます(写真 右)。

できあがったら、円盤に回転の軸となる棒を付けて、いざ鏡の前でクルクル…。「動く絵」に、まさにおどろきの声があがりました。
2007年03月27日
スタジオトーク「石田尚志×祢津悠紀」レポート
《生成する壁》展示が終了し、スタジオの仮設壁が解体される直前の3月10日に、石田さんと、アシスタントとして4ヶ月間ずっと制作に付き添ってきた祢津悠紀さんによるスタジオトークを開催しました。対談は、祢津さんが「壁」そして「水」をテーマとした作品制作に密着して、気づいた事や疑問に思った事に、石田さんが答えながら進みました。
後半には、このプロジェクトを担当した松永学芸員もトークに参加。「石田さんは普段は一人で制作されていますが、今回、祢津さんという一人の鑑賞者をともないながらの滞在制作はいかがでしたか?」という質問に対し、「絵画を描く時に、線が伸びていく時間体験をもう一度みたくて映像制作を始めたのですが、密室で制作する過程で、時々線を引いていく生々しい時間を撮りきれないこともあります。そんな中、祢津さんは、まさに絶対的なシンボルのような鑑賞者でした。もしこれが写っていなくてもいいやと思えるぐらい、絶対に確実にみてくれている存在があったことは精神的にもすごく救われた気がします。」と石田さんは祢津さんについて語りました。
トークも終盤にさしかかった頃、石田さんは、これから解体される壁について話し始めました。「僕は今日も撮影をしようとしていました。(周りの方に、もう十分だととめられたようですが。)でもそれは、スタジオ自体の成功の証ではないかと思います。このスタジオという空間は、常に途上の状態として進行し続けてきました。だから来るたびにここに新しい線がみえてきます。その連続でした。実は、今も、早く青い絵具を壁に投げていきたい気分です。」
そして、石田さんは、突然席を立ち、横たわる青い壁の方へ行き、表面に広がる青い絵の具を刷毛に含ませ、壁に向かって飛ばし描き始めました。
↑「制作の途中でもこのような事はたびたびありまして、そういう時は気にしないのが一番です。だんだん絵ができていきますので。皆さん質問ありますか?」と急な展開にも慣れた様子で冷静に進行する祢津さん。
最後に「今回は多くの方にこの空間をみていただいてよかったです。この作品をこれからしっかりまとめて発表しなければならないと思います。」と、石田さんがご挨拶。
そして、祢津さんを呼び出し「この部屋の解体の始まりということで」と…
仮設壁中央の壁を取り外し、石田さんと祢津さんによる「スタジオトーク」、そしてアートギャラリーでの活動を終了しました。

↑トーク終了後のスタジオの様子。
この日の夜から翌日かかけて、仮設壁は撤去されました。
石田さん、祢津さん、4ヶ月間の滞在制作おつかれさまでした。
2007年03月25日
《生成する壁》展示レポート
3月10日(土)に、石田尚志さんが映像作品を制作していたスタジオを公開する「石田尚志《生成する壁》展示」が終了しました。制作スタジオとして使用していたアートギャラリー2の奥のスペースには、石田さん自身の手による映像インスタレーションが展示されていました。4ヶ月間にわたる制作の過程で、何重にも絵の具が塗り重ねられた壁は、真っ白に塗られ、そこに滞在中に撮影した映像が投影されました。そして、その手前には、1820×2426センチの大きな青い壁が横たわり、表面に張られた水がもう一つのスクリーンとして水面に映像を映し出し(反射)していました。

映写機とスクリーンが登場したり…

絵の具が飛び散る場面も、まさにこの壁面で撮影されました。
また、もう一方の壁には、モニターが4台設置され、スタジオ内を定点記録した映像で、滞在制作の様子を紹介しました。

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企画展「水の情景−モネ、大観から現代まで」展がいよいよ来月4月21日に迫ってきました。石田さんは、現在、滞在制作中に撮り溜めた1万枚を超えるスチールを用いて編集作業にとりかかっているとのこと。展覧会では3台のプロジェクターを駆使した映像インスタレーションとして展示されるそうです。石田さんはどのような「水の情景」をみせてくれるのでしょうか。
2007年03月20日
映画上映会「動く絵の冒険」レポート
3月3日(土)、4日(日)、10日(土)の計3日間、AIMY2006映画上映会「動く絵の冒険–越境するアニメーション」が開催されました。上映会では、国内外のアーティストによって生み出された、手描きの絵や写真、実写映像やCG画像などを素材に、様々な手法を駆使して制作された短編アニメーション作品約60タイトルが上映されました。

↑晴天に恵まれた3日間。
入口では、上映会の大きなバナーがお出迎え。
↑会場(レクチャーホール)の様子
上映会2日目の3月4日(日)の「石田尚志映像個展」では、石田尚志さんの最初期から、今回のAIMY滞在制作作品を含む全8作品を上映。映画関係者から映像を学ぶ学生さん、また石田さんの滞在制作を通してアニメーションに興味を持たれた方まで、たくさんの方にご来場いただきました。
約70分の上映後、石田さんと、映像・現代美術評論家の西村智弘さん、愛知芸術文化センター主任学芸員の越後谷卓司さんをお迎えしての「トークライブ」を開催しました。トークライブでは、石田さんのこれまで作品をたどりながら、また1920年代30年代に制作された貴重な抽象アニメーションにふれつつ話が展開。後半には、ご来場のお客さまからの質問をもとに、今回の滞在制作作品についての感想や、絵コンテを描かない石田さん独特の制作スタイルについてお話いただきました。石田さんにとっても今回が初となった回顧上映は、ご自身にとってこれまでの制作を地図化するよい機会となったそうです。そして、最後に今後挑戦してみたい新たな「欲望」が発表され、トークは終了しました。
↑トークライブの様子(左から、石田さん、西村さん、越後谷さん)
多くの方々にご来場いただき、盛況のうちに幕を閉じることができました。この場を借りてお礼申し上げます。