横浜市民ギャラリー展

　このたび横浜市民ギャラリーでは、「横浜市民ギャラリーコレクション作品展」を開催いたします。
　今では少し懐かしい雰囲気も漂う横浜・関内。小さな路地にも開港の歴史を感じ、戦渦まもなく街の復興をとげた「ハマっ子」のたくましさが今も感じられるエリアです。横浜市民ギャラリーは、1974年に桜木町の旧市庁舎から移転してこの横浜市教育文化センターの1階から3階に入り、横浜在住の美術家のグループ展や市民サークル、学生の発表などに常時利用されてきました。また、その傍ら、横浜ゆかりの美術家を顕彰し、横浜の美術文化の歴史を振り返る企画展や、未来のアート界を担う期待の若手作家を招いて新作を発表してもらう現代美術展などを行い、関連の作品を収蔵してきました。
　この展覧会では、公開する機会の少ないこれらの収蔵作品の中から、絵画や版画作品を選んで展示し、小解説パネルなどで作品をより身近に感じていただけるよう工夫をいたしました。
　また、1979年に開港120周年を記念して市内の画家たちによって制作された素描「横浜百景」シリーズの中から、中区周辺が描かれた作品を選んで展示します。見慣れた風景、あるいは今はすっかり相貌を変えてしまった懐かしい景色が、素描というごく簡素な手法によって画家たちにどのように捉えられているでしょうか。早春の一日、本展をご覧になった後は、描かれたスポットを探しに、街の散策はいかがでしょうか。
　ご観覧いただいた皆さまが、作品にゆっくりと向かい合い、お気に入りの一点に出会える機会をご提供できれば、主催者としても喜ばしい限りです。