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2016/06/10

コンサート

連載コラム<魅惑のペルシャ音楽>その4

連載コラム「魅惑のペルシャ音楽」最終回は少し専門的なお話、ペルシャ古典音楽の理論についてご紹介します。


第1回 「ペルシャ音楽への誘い」はこちら

第2回 「イランの打楽器」はこちら

第3回 「イランの芸術、ペルシャ古典音楽」はこちら


6/25(土)14時開演「ジャン=ギアン・ケラス シルクロード・プロジェクト~横浜能楽堂で出会う中東&邦楽器」チケット販売中!

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第4回「ペルシャ古典音楽の理論と、新たな音楽の創出」

執筆:佐々木翔太郎


 

 世界中にはさまざまな音楽体系があります。日本の音楽や民謡の類もまた、独自の理論に裏打ちされた音楽体系といえます。それは中近東に限っても同じことで、国や地域によって音楽は独自の発展を遂げてきました。このコラムでお話してきたペルシャ古典音楽もその一つであり、その理論体系であるダストガーはよく旋法、あるいはモードとして説明されます。しかしそれは前回お話したような音楽の演奏順序のように、ダストガーには旋法以上の意味が含まれています。ひとつのダストガーで基本的に使える音が限られており音階のように並んでいることは確かですが、音そのものがお互いに有機的に関連付けられていることも見逃せません。それはこの音から始まればこの音で終わったり、といったような順序もしくは支配関係のことです。ダストガーにおいてその音と音の関連を学ぶには、ラディーフが欠かせません。

 

 ラディーフは一種の曲集のようなもので、ダストガー別に分類されています。ペルシャ古典音楽を習得する際にはこのラディーフを楽譜や音源などから記憶します。そしてそのラディーフの編纂に大きく貢献したのがミルザー・アブドッラーでした。彼のラディーフは現在でも最も重要かつ基礎的なものとして位置づけられています。ペルシャ古典音楽において即興が重要であることは何度もこのコラムで出てきていますが、即興という一見すると具体的でないものがラディーフの存在によって具体的に習得しやすくなっているといえるでしょう。ただ一方で自分の独自性を打ち出すにはなかなか難しくもあるかもしれません。

 

 このようにイランという国ひとつとってみても具体的な音楽理論によって体系付けられていることがわかります。ちなみに本公演では「ニハーヴェント・セマイ」という演目がありますが、この「ニハーヴェント」とはアラブ音楽やトルコ音楽の音楽理論マカームのひとつであり、いままでお話してきたダストガーとは体系を異にするものです。このような世界各地で発展してきた音楽理論を近代では多くの西洋音楽の作曲家が作品に落とし込んできました。そして現代ではケラスとシェミラーニ兄弟らのように、それぞれネイティブの音楽体系をもちながら、異なった音楽体系を理解し新しい音楽を創り出そうという試みが多くなされているように思えます。ですから本公演もただのコラボレーションとしてみるよりは音楽体系の枠をこえた、新しい音楽創出の場となるかもしれません。

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