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2016/06/01

コンサート

連載コラム<魅惑のペルシャ音楽>その3

連載コラム「魅惑のペルシャ音楽」第3回ではペルシャ古典音楽についてご紹介します。


第1回 「ペルシャ音楽への誘い」はこちら

第2回 「イランの打楽器」はこちら

 

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第3回「イランの芸術、ペルシャ古典音楽」

執筆:佐々木翔太郎


 悠久の歴史と伝統をもつイランではさまざまな文化・芸術が発展してきました。ペルシャ古典音楽はイランの芸術のなかでもとりわけ重要な位置にあるといえるでしょう。今回はまずペルシャ古典音楽の成立についてみてみましょう。



長く安定したカージャール朝(*注1)の宮廷にはイラン中から多くの音楽の達人たちが集まっていました。その一人、ミルザー・アブドッラー(*注2)は集まった地方の音楽を整理し、数種類の「ダストガー」という規範をつくりました。この「ダストガー」が現在に至るまで伝承されており、近代ペルシャ古典音楽の基礎となっています。つまりペルシャ古典音楽とは地方に散らばっていた様々な音楽の要素を整理し、作り上げられた音楽体系といえるでしょう。もちろんそれぞれの地方で伝承されていた音楽はアブドッラーの生前より存在し独自の発展をとげてきました。その積み上げられた歴史の多様性こそがペルシャ古典音楽の深みにつながっているのかもしれません。


このような歴史をもつペルシャ古典音楽の演奏は、ソロから大規模なオーケストラ的編成までさまざまな形でなされますが、旋律楽器と打楽器の2種類にその役割を分けることができるでしょう。前回ご紹介しましたザルブとダフはその代表的な打楽器です。たいていペルシャ古典音楽のアンサンブルでは旋律楽器の即興にはじまり、打楽器との合奏曲が演奏されます。合奏曲にはいくつかの形式があり、それぞれにきまった拍子と名前がついていますが、部分的あるいは完全に即興で演奏されることがしばしばです。ザルブやダフのような打楽器は拍子を保ちつつ、即興的に変化する旋律楽器にあわせていくことが重要でしょう。


さてこのようにペルシャ古典音楽ではその即興性が重要視されていますが、実はそれも「ダストガー」を規範としています。時々「ダストガー」は音階、旋法であると説明されますが、それだけでなく上記で説明したようなひとつの演奏の流れの規範でもあり、音楽理論そのものでもあるのです。次回ではペルシャ古典音楽で最も重要な要素である「ダストガー」について触れてみましょう。

 

*注1 カージャール朝(1796年~1925年)

*注2 ミルザー・アブドッラー(1843年~1918)

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