文字サイズ

お知らせ

  1. Home
  2. お知らせ一覧
  3. MMCJ創設芸術監督 大友直人さんスペシャルインタビュー

2016/05/25

コンサート

MMCJ創設芸術監督 大友直人さんスペシャルインタビュー

「ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン(通称MMCJ)」は、指揮者の大友直人さんとアラン・ギルバートさんが創設した国際音楽セミナーです。

2001年に「ミュージック・マスターズ・コース・イン・かずさ」としてスタートし、2011年より横浜に拠点を移し開催。今年で16回目を迎えます。

毎年、オーディションによって選ばれた世界各国の若手演奏家達が、第一線で活躍する講師のもと、約数週間、室内楽とオーケストラの演奏を徹底的に学びます。そして最後にはコンサートという形でその成果をお客様にも披露します。

この度は、創設芸術監督の大友直人さんにお話を伺いました。


・・・・・・・・・・・・・・・


■MMCJは今年(2016年)で16年目を迎えますが、今のMMCJの魅力・面白さとは何でしょうか?

大友さんインタビュー①のサムネール画像

MMCJは、アランとその友人たちと国際交流や、室内楽を中心とした勉強会を行いたいという考えから設立しましたが、「若い学生達を教える」という目的の他に「講師達も勉強する」ということも大きなウエイトを占めています。

 

学生の成長は勿論ですが、特に講師陣はスタート時から殆ど顔ぶれが変わっていないので、音楽性・技術面など様々な点で彼らの成長を見る事が出来るのが面白いですね。個人個人はなかなか気づかないと思いますが、勉強して経験を積んで、毎日確実に変化しています。その成長を年に1回お客様にも見て頂けるのは、楽しいし面白いところだと思います。

 

私自身、いつもは比較的大きなオーケストラに関わる事が多いですが、MMCJ期間中は室内楽のコーチングになるので、いつもと違う音楽との関わり方になります。ですので、この期間は普段なかなか勉強できない色々な音楽の作り方や説明の仕方、リハーサルの仕方等を勉強できる、1年間の中で貴重な時間になっています。

MMCJでは自分がコーチをする事もありますが、他の先生がコーチをしている現場に立ち会って見学したり、意見を言ったりします。その点が、自分にとっても先生方にとっても意味のある事だと感じています。良い意味で、講師・学生問わず、MMCJに参加している音楽家たちが積極的に勉強し合うという色合いが年々強くなってきていると思います。

 

また、音楽に限らず何でもそうだと思いますが、時代を共に過ごし生きるという事は、ある意味宿命です。お客さんも、ここで学生だった時期のプレイヤーと出会って、その人が素晴らしい音楽家になっていく姿を一緒に見る事が出来るという音楽の楽しみ方もありますよね。

16回も続けていると、ここで学んだ学生達の中で、素晴らしい音楽家になっている人が多くいます。その人達の中にもMMCJで良い時間と経験をしたと思ってくれている人が多くいます。そのような声を聞くと、やっていて良かったと思いますし、これからも末永く続けていきたいと思います。



■MMCJにおいて、室内楽は重要なポイントとなっていますが、大友さんご自身が感じる室内楽の魅力とは何でしょうか?

大友さんインタビュー②のサムネール画像

室内楽は、楽譜に書かれている11つの音全てが、1人の奏者の為に書かれています。ですので、奏者11人が常に「音楽づくりに100%参加する」という責任を持たないと、音楽が完成しません。そこが室内楽の難しさであり、大事なところであり、そして最大の魅力だと思います。

 

これは、本当はオーケストラや合唱なども含めて、全てのアンサンブルに共通している事です。オーケストラ等は同じパートを大勢で奏でるので、11人の責任の所在が不明瞭になってしまう場合がしばしばあります。しかし、本当はオーケストラが10名でも20名でも、100名でも、11人の責任の重さは変わりません。この事を一番凝縮して経験できるのが室内楽です。ですので、室内楽をトレーニングするという事は「音楽づくりに100%参加する」という事に繋がっています。

 

それと、例えばオーケストラの場合は、指揮者がオーケストラのプランを立てて、リハーサルの仕方や、音楽の作り方をリードして進めていますよね。

けれども、室内楽の場合には参加している奏者11人がはっきりした各々の音楽観や想いや色々な音楽を持ってそれをぶつけあいます。色々な方法がありますが、みんなでディスカッションしてみたり、実際に演奏してみたりして、主張し合いながら音楽をつくりあげていきます。これは簡単な事ではないです。

 

特にMMCJは、言語の問題や今まで受けてきた教育など、様々なバックグラウンドを持った学生が集まります。また、寡黙な人、雄弁な人などそれぞれ違ったキャラクターを持っています。このように、メンバーそれぞれが問題を抱えながらお互いの存在を十分理解して音楽をつくるというのは1つのトレーニングです。

 

室内楽はある言い方すると地味な分野かもしれませんが、音楽家としてアンサンブルをつくるという観点では大事な分野になります。奥行が深く、広い世界を持っています。

 

また、室内楽には隠れた名作が沢山あります。ベートーヴェン、ブラームス、モーツァルトにしても素晴らしいシンフォニーを作曲していますが、そのシンフォニーの世界に匹敵する位、ものすごく深遠な、素晴らしい室内楽の作品も作曲しているんですよ。これを知らずにいるのはもったいないと思います。MMCJのコンサートでは、その多くの作品の中でも良い楽章をセレクトしてプログラミングしているので、室内楽の素晴らしいエッセンスをキャッチするには、またとない良い機会だと思います。



講師による室内楽コンサートを必ずプログラムの前半に開催しているのにはどんな理由があるのでしょうか?

1つは、学生達に対して、これからコーチをする講師達がどんな音楽家でどんな音楽をつくっているのか、という事を実際に聴いて、見てもらう為です。

 

セミナーの最初の頃にこれを行うことで、学生の刺激になったり参考になったりするからです。各々のクラスで教えにきている先生だけだと、その先生だけしか見えないので、このようなコンサートで一斉に教えているMMCJの講師達の音楽を実際に体験してもらうという事は学生にとって良いことだと思っています。

 

もう1つの理由として、講師達は1年ぶりにこのMMCJで再会するので、実際に一緒に音楽創りをする事で、チームワークを再確認する機会となります。ですので、この室内楽コンサートというのは講師にとっても大事な時間です。セミナーのなるべく早い時期にこれを行うというスタイルはここ数年で固まってきました。



■15日のオーケストラコンサートはどのようなところが聴きどころでしょうか?

DSC_8524.jpgのサムネール画像

ここ数年、35人位の弦楽アンサンブルを指揮者なしで演奏する、というものに取り組んでいて、今年はスーク≪弦楽のためのセレナーデ≫に挑戦します。学生達は室内楽のセミナーを通して、「11人が責任を持って音楽創りに参加する」という意識を養います。その応用として、全く同じ意識でオーケストラの中で演奏すると、非常に積極的で豊かな音のオーケストラが出来てきます。そうは言っても、指揮者なしでの合奏はとても難しいので、なかなか聴きごたえがあると思いますよ。

 

ドヴォルザーク≪交響曲第8番≫は大変魅力的な作品です。ドヴォルザークはオーケストレーションが素晴らしい作曲家ですし、今まで15回開催してきましたが、実はドヴォルザークのシンフォニーを取り上げるのは今年が初めてです!



カレンダーの読者へメッセージをお願いします。

MMCJは来て頂くと、必ず感動というか、色々なものを感じて頂けるものが沢山詰まっていると思います。学生の室内楽コンサートも然り、講師も然り...やっぱりある意味で日常とは少し違った熱気ですかね...年に1度、この現場でしか味わえないエネルギーが詰まっている時間なので、ぜひ来て頂ければ、何がしかの感動を受け取って頂けると思います。心からお待ちしています。


・・・・・・・・・・・・・・・

 

ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン 横浜 2016

 

■ガラ・コンサート[講師室内楽コンサート]

日時:7/2(土)18:00開演 (17:30開場)小ホール

出演:ヴァイオリン ジェニファー・ギルバート、ハーヴィー・デ・スーザ

   ヴィオラ 鈴木学、マーク・デスモン

   チェロ エリック・キム、カイサ・ウィリアム=オルソン

   クラリネット ヴィセンテ・アルベローラ

料金:全席指定 ¥2,500Miraist Club会員 ¥2,250/学生 ¥1,000

曲目:ブラームス/クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115

   シェーンベルク/弦楽六重奏曲《浄夜》Op.4

 

■室内楽コンサート[受講生による]

日時:7/10(日)13:30開演(13:00開場)小ホール

料金:全席自由 ¥500

曲目:当日発表

 

■オーケストラ・コンサート

日時:7/15(金)19:00開演(18:30開場)大ホール

料金:S席 ¥2,500A席 ¥2,000/学生 ¥1,000

   Miraist Club会員 S席 ¥2,250A席 ¥1,800

指揮:マイケル・ギルバート、大友直人

曲目:ブラームス/悲劇的序曲Op.81

   芥川也寸志/弦楽のための三楽章(トリプティーク)

   スーク/弦楽のためのセレナーデ 変ホ長調 Op.6

         ドヴォルザーク/交響曲第8番 ト長調 Op.88 

 

MMCJ公式HPはこちらから

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

2013年に行った大友さんへのインタビューはこちらからMMCJの創設時のお話などが掲載されています。

〒220-0012 横浜市西区みなとみらい2-3-6

チケット・公演内容について

ホールチケットセンター:
045-682-2000

ホールご利用、その他について

ホール事務室:
045-682-2020

横浜みなとみらいホールは、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が運営しています。

Copyright(c) MINATO MIRAI HALL. All rights reserved.