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2015/02/28

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新曲完成!挾間美帆さんロング・インタビュー

新曲完成!挾間美帆さんロング・インタビュー

 


いよいよ2週間後に迫った「Just Composed 2015 in Yokohama~現代作曲家シリーズ」。

毎年、出演者も編成も様々な内容で、出来立ての新曲・・・まさに"Just Composed"の曲をお届けしております。今年は、いま大注目の若手ジャズ作曲家、挾間美帆さんに新曲を委嘱。ジャンルを超えて活躍中の弦楽四重奏団・モルゴーア・クァルテットが演奏します。

今回は挾間美帆さんに完成したばかりの新曲≪CHIMERA≫(キメラ)について、またプライベートなことまで、お話を伺いました!

 



 ~挾間美帆さん・スペシャルインタビュー~

 


―― まず、初めの質問です。新曲のタイトル「CHIMERA」に込められた意味を教えてください。

 

MihoHazama_A (c) Miho Aikawa.jpg

■ タイトルには"ひとつの単語を"と漠然と思っていましたが、どんな単語にするか迷いました。"CHIMERA"とは、ギリシア神話に登場する怪物の名前でもありますが、そこから由来して、生物学的には「同一個体内に異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態」という意味もあるようです。モルゴーア・クァルテットは、クラシック音楽というコアの中にジャズやロックなど多種多彩な音楽ジャンルを併せ持ったパフォーマンスができる唯一無二の弦楽四重奏団なので、モルゴーアの皆さんに捧げると言う意味も込めてこの単語を選びました。もちろん、CHIMERAという怪物にもインスパイアされています。

 

 

―― 曲の構成はどんな感じですか。

 

■ 構成はとてもシンプルで、急--急の3つのセクションから成り立つ、大きな三部形式です。

 

 

―― 作曲をするうえで、インスピレーションを受けたものはありますか。

 

■ 常にモルゴーア・クァルテットの皆さんの演奏する姿や音を思い浮かべながら書きました。今回は理論的なことは一切考えずに書きはじめたので、4人の演奏や音が決定的な曲想のきっかけになりましたね。

書き始める前に気分を変えたくて、一週間ロンドンへ行きました。プログレッシヴ・ロック(*1)の聖地でもあります。残念ながらライブには行かなかったのですが、レコード屋さんでプログレ・コーナーにあるCDを手当たり次第試聴してみたり、モルゴーア・クァルテットのCDを聴きながら電車旅行をしたりしました。

 

 *1 1960年代後半、イギリスに現れたロック・スタイルの一つ。ピンク・フロイドやキング・クリムゾンはその代表。

 

 

―― 今回モルゴーア・クァルテットが演奏するということで、特殊な演奏法を入れたりしましたか。

 

■ いいえ、モルゴーアの皆さんに演奏していただくにあたり、私の中では"特殊奏法"への渇望より、"楽器を鳴らすことにおいてエキスパートな人々が集まっている"という意識のほうが強かったのです。たった4人なのに、出来ることの範囲が広く楽器が響いてまるでオーケストラのようなので、大編成が好きな私は"いかに効率的に楽器を鳴らし燃えるような演奏をしてもらえるか"ということを考慮しました。弦楽器の開放弦(*2)の音色も好きなので、フィドル・ヴァイオリン(*3)技術に発想を得て、敢えて開放弦を多用した部分も登場します。

でも、曲を書き終えた後に、4人を知る私の友人たちにこの話をしたら、「そんなんじゃ足りないよ、きっと」と言われてしまったので、リハーサルで大暴れするパートを足してしまおうかな...なんて考えています()

 

 *2 弦を指で押さえずに演奏する方法。

 *3 フィドル(英語:Fiddle)とはヴァイオリンのことを示す。民族音楽、フォークミュージックなどを演奏する際、俗称として使われることが多い。

    開放弦での演奏など自由なスタイルで演奏される。

 

 

―― ずばり、≪CHIMERA≫の聴きどころは?

 

■ 4人オーケストラ。熱を帯びている部分、激しい部分、あまりにも哀しい部分、不穏な部分など、一曲を通して音量音色だけでなく豊かな表情をつけることによって、よりドラマチックな曲になると信じています。

 

 

―― 挾間さんはオーケストラ編成の作曲・編曲をされていることが多いですが、弦楽四重奏の作品はこれまでにも書かれたことはありますか。

 

■ 高校在学時と大学在学時に1曲ずつ書いていると思いますが、卒業以降ではこれがはじめてです。

 

 

―― プログレッシヴ・ロックに対する印象を教えてください。

 

■ 正直、最近まであまり馴染みの無いジャンルでした。でも聴き始めると、クラシック音楽と共通するものが多いと感じました。ジャズは、"トライアド"と言われる正統的な響きのする三和音にどんどんオマケの音を足していくことによって独自のハーモニーを確立しているのですが、プログレは、"トライアド"を使いながらも予測不能な進行やリズムを使うことによって、そして独特の楽器を使うことによって独自の雰囲気を演出しているなぁと。この"トライアド"はクラシックで長年多用されてきましたし、ドラマチックな要素もプログレとクラシック音楽が近い、と感じた一因だと思います。

 

 

―― 普段はどんなジャンルの音楽を聴きますか?

 

■ ジャンルを問わず、自分の気に入ったものを聴いています。ジャンルで上手く説明できない音楽が多いかもしれません。最近はアルメニア人ジャズ・ピアニストとしてデビューしているTigran Hamasyanの新作を愛聴していますが、このアルバムはジャズとは言えずむしろプログレに近いと思いますね。

 

 

インタビューにお答えいただき本当にありがとうございました。

 

この新曲≪CHIMERA≫(キメラ)が聴けるコンサート"Just Composed"はチケット好評発売中です!

314日(土)18:00開演「Just Composed 2015 in Yokohama~現代作曲家シリーズ クァルテットのレッド・ゾーン?!モルゴーアのプログレ

≫≫≫コンサートの詳細はこちらからご覧ください。

 

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~挾間美帆・プロフィール~

 1986年生まれ。2009年、国立音楽大学作曲専攻卒業。作曲を夏田昌和、丸山和範の各氏に師事。

 在学中より作編曲活動を行なう。2008年、東京オペラシティ・コンサートホールで初演された山下洋輔「ピアノ・コンチェルト第3<エクスプローラー>」のオーケストレーションを担当、絶賛を博し一躍大きな注目を集める。これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団、東京佼成ウインドオーケストラ、シエナウインドオーケストラ、ヤマハ吹奏楽団などに作編曲作品を提供。

 また、テレビ朝日系「題名のない音楽会」出演や、自身のグループ「m_unit」など、幅広く活動する。

 2010年、ジャズ・コンポジションを学ぶためニューヨークに留学。2011年、ASCAP ヤングジャズコンポーザーアワード受賞。同年、オランダのメトロポール・オーケストラのアレンジ・ワークショップに参加。2011年度の文化庁新進芸術家海外研修制度研修員に選ばれる。

 2012年、マンハッタン音楽院大学院を優等で卒業し、11月には「ジャズ作曲家」としてデビュー・アルバム「ジャーニー・トゥ・ジャーニー」(ユニバーサル)をリリース。

 2013年、東京オペラシティのニューイヤー・コンサートに出演。六本木STB139にてアルバム発売記念ライブを開催。2月、「ジャズ・ジャパン」誌のアルバム・オブ・ザ・イヤー ニュー・スター賞を受賞。3月、デビュー・アルバムが全米・ヨーロッパでも発売され、ニューヨークのジャズ・ギャラリーにてアルバム発売ライブを開催する。 2014年、ジャズ作曲家としては初めて「出光音楽賞」を受賞。


写真 (c) Miho Aikawa

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