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ヤクブ・フルシャ指揮 バンベルク交響楽団

2018年3月06日(火) / コンサート

6/28(木)バンベルク交響楽団のコンサートに寄せて、音楽評論家の山崎浩太郎さんが公演の魅力についてご紹介くださいました。

*こちらの記事は、2018年4-6月コンサートカレンダーに掲載しています。



故郷への想い

チェコ所縁のマエストロとオーケストラが描く 

ドヴォルザークの二大交響曲

 

◎........................山崎浩太郎(音楽評論家) 


チェコ音楽の伝統

チェコには、中世以来の豊かな音楽の伝統があります。20世紀の初めまでボヘミアと呼ばれていたこの地域からは、バッハやベートーヴェンと同じ時代にも多くの優れた音楽家が生まれ、ドイツやヨーロッパ各地で活躍しました。

19世紀後半になると、ベドルジハ・スメタナ(1824 1884)とアントニン・ドヴォルザーク(1841 1904)の二人が相次いで登場、世界的にその名を知られることで、チェコ音楽は豊かな稔りの時代を迎えることになります。

スメタナの代表作は、有名な「モルダウ」を含む連作交響詩「わが祖国」。ドヴォルザークは数多くの傑作を生み出しますが、なかでも世界的に愛されているのが、交響曲第8番と第9番の2曲です。

 

ドヴォルザークの魅力あふれる傑作

8番はイギリスの出版社から楽譜が発行されたので「イギリス」と呼ばれ、第9番はドヴォルザークがアメリカに渡って音楽院の院長をしていた時期に作曲されたことから、「新世界より」と名づけられました。

どちらも生気にあふれる舞曲のリズム、哀愁にみちた美しいメロディなど、ドヴォルザークの魅力がつまっています。第8番にはボヘミアの自然とともに生きる人々の朗らかでたくましい生命力があり、第9番は、歌詞をつけて歌われることもあるほどに美しい第2楽章の旋律や、まるで機関車の発進を音にしたようにも感じられる第4楽章の始まりなど、全曲が聞きどころばかりの傑作です。


チェコ音楽界の期待を担う俊英

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今回この2曲を指揮するのは、1981年生まれのチェコの俊英、ヤクブ・フルシャです。20世紀になると、チェコからは優れた指揮者が輩出しました。ヴァーツラフ・ターリヒ、ラファエル・クーベリック、カレル・アンチェルなどの20世紀の巨匠たちから、昨年亡くなったイルジー・ビエロフラーヴェクや、近年の日本でとりわけ愛されたラドミル・エリシュカまで、枚挙にいとまがありません。

フルシャは、そのビエロフラーヴェクとエリシュカから親しく教えを受け、チェコの指揮者の輝かしい伝統を受け継ぐことを期待される、若い世代の代表者です。みずみずしいセンスで鮮度の高い響きを導き出す一方、冷静なコントロールで音楽の骨格をしっかりと造形する力にも長けています。2010年から東京都交響楽団の首席客演指揮者をつとめたので、日本にも多くのファンを持ち、フルシャ本人も日本で演奏できることを大変に喜んでいるとのことです。



故郷プラハへの想いを大切にする名門オーケストラ

演奏するバンベルク交響楽団は、フルシャが2016年から首席指揮者に就任した、ドイツのオーケストラ。バンベルクはドイツ南部のバイエルン州にある人口7万ほどの小さな町。バンベルク交響楽団は、町の大きさに見合わない規模と高い技術力を持っていることで知られます。その理由の一つは、もともとチェコのプラハにいたドイツ人音楽家によるオーケストラが1945年にまるごと移住し、翌年に新たに結成した団体だからです。ドイツのオーケストラではありますが、そこにはチェコで育まれたサウンドの伝統が、いまも生き続けているのです。

 

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ヤクブ・フルシャ指揮 バンベルク交響楽団

6/28(木)14:00開演

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