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バーンスタイン生誕100周年記念演奏会
井上道義さん インタビュー

2018年3月06日(火) / インタビュー

今年2018年は横浜みなとみらいホール開館20周年、そして、バーンスタイン生誕100周年です。

井上道義さんが 「バーンスタインの光と影」を渾身の指揮で描くコンサートを開催します。

バーンスタインに寄せる思いや、コンサートの魅力についてお話を伺いました

                        (取材・文/猪上杉子)


*こちらの記事は、2018年4-6月コンサートカレンダーに掲載インタビューのロングVer.です。


Q1.横浜みなとみらいホールは開館20周年を迎えます。横浜にはどんない出ありますか?

 

1999年に1周年を祝う「第1回バースデイ・コンサート」の指揮をしましたから、20周年は感慨深いですね。横浜は、バレエやピアノの発表会で訪れたり、と子どもの頃から縁の深い場所です。昔は海外へ行く人はみんな横浜港から船で外国へと旅立ったもの。港、海原を思い、外国への入り口だと思っていました。飛行機が当たり前になってハイカラな印象は陰ったものの、1990年代に「みなとみらい」の街と新しいホールができて、みんなが横浜にまた「未来」を思い描くようになりました。その20 年前に描いた「未来」が、20年の時を経て「今」「現在」になったんですよね。

私自身の「未来」?はるか昔、14歳の時に思い描いた指揮者としての「未来」は、ほとんど叶えられています。「ジジイになってもずっと仕事を思いきりしていたい」という「未来」でしたからね。

 

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Q2.バーンスタイン生誕100周年記念演奏会のプログラムで目指したのはどんなことですか?

 

きっとバーンスタインが喜んでくれるでしょうね。短い間ですがバーンスタインから直接習ったことがあり、生身の彼と接して人となりを間近に感じ取りました。バーンスタインは生きていたら100歳、もう指揮者でも作曲家でもなかったろうから、彼の思いを実現してあげたいと思ってプログラムを考えました。指揮者としてカリスマ的な人気と絶大な評価を獲得した彼ですが、本人は指揮者としてよりも、作曲家として正当に評価されたいと願っていたのです。《ウエスト・サイド・ストーリー》の大成功でミュージカルの作曲家としか見られなくなってしまった彼のジレンマを晴らしてあげたかった。そういった葛藤に悩み続けた彼の姿に共感するからです。彼の本心に沿ったプログラムになったと思います。

バーンスタインはひとつのことに邁進するだけではなく、自在に広い範囲のことを同時にやろうとした最初の人でしょう。彼が活躍した50年前には、黒人やアジア人の歌手を起用することや、アジア人の指揮者を起用すること、キリスト教に異を唱えること、すべてタブーでした。そのタブーを冒すことを身を挺して行った最初の音楽家です。でも自分の意のままに自在であることの功罪は、音楽の中にも出てきています。その光と影の両方をきちんと聴いてもらいたいと思っています。

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光と影は、何にでも必ずあります。それが人生であり、音楽というもの。例えばソナタ形式だって第1主題があってそれに対向する第2主題があり、相反する2つのものが展開していく音楽なのですから。

 

Q3 曲目の聴きどころを教えてください。

 

《交響曲第2番「不安の時代」》は素晴らしい曲目。背景には第2次世界大戦末期の流れがある。ピアニストだったバーンスタインが、オーケストラにピアノを入れてクラシックな様式で書いた骨太なシンフォニー。クラシックのピアニストにとってはジャズっぽい要素を表現するのが難しいのですが、福間君が懸命にやるはず。

それから《ミサ》。バーンスタインは作品は私全てであり人生だと言っています。私は24年前に、そして昨年もシアターピースとして上演しましたが、今回は4曲をとりあげます。タブーに挑戦し、葛藤を表現した問題作なのですが、作曲家としてのバーンスタインの才能を感じてほしい。クラシックロックブルースなどの要素がありリズムとメロディーの激流のような音楽。ボーイソプラノの込山君をぜひ聴いてほしい。

一方、彼の名を知らしめた《ウエスト・サイド・ストーリー》からの「トゥナイト」を、鷲尾さんと古橋君の声で。輝かしい光の部分も堪能してもらいたいです。

「ハリル」「セレナード」といったなかなか演奏されない楽曲も、工藤君、山根君という名手を迎えます。

「未来」だった「今」を輝く音楽家たちと共に繰り広げる、バーンスタインの多面的な名声に彩られた人生の「光」と「影」。ぜひみてもらいたい。

 

 


横浜みなとみらいホール開館20周年

バーンスタイン生誕100周年記念演奏会

526[土14:00|大ホール

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