
6月号 / 2010
:インタビュー「別所哲也さん」
10.05.17
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 代表
別所哲也氏
TETSUYA BESSHO
プロフィール
慶應義塾大学法学部卒。大学在学中の87年、ミュージカル「ファンタスティックス」で俳優デビュー。90年、日米合作映画「クライシス2050」でハリウッドデビュー。米国映画俳優組合(SAG)会員となる。以降、映画・TV・舞台等で幅広く活躍中。近年では、「レ・ミゼラブル」「ナイン ザ・ミュージカル」「ミス・サイゴン」「コースト・オブ・ユートピア」などの大作・話題作の舞台に多数出演。本年4月、第1回岩谷時子奨励賞授賞。99年より、日本発の国際短篇映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル」を主宰。09年には、これまでの映画祭への取り組みから、観光庁「YOKOSO!JAPAN 大使」に任命され、文化庁からは文化発信部門の長官表彰を受けた。第21・22回東京国際映画祭では審査員を務め、本年より、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員に就任した。
公式ファンサイト
イベント情報
6月10日(木)~20日(日)から、米国アカデミー賞公認アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2010」が、東京・表参道ヒルズ スペース オーを皮切りに、ラフォーレミュージアム原宿、ブリリア ショートショート シアター(横浜みなとみらい)他で開催されます。世界中から集められた4000本以上の作品の中から頂点に選ばれるのはどの作品か?!また新部門となる、音楽と映像の融合「ミュージックShort クリエイティブ部門」、日本の魅力満載「旅シヨーット!プロジェクト」と盛りだくさんのラインナップ。恒例の「アカデミープログラム」も最新の米国アカデミー賞ノミネート・受賞作品を一挙上映と見逃せません。
また横浜限定プログラムとして、人気俳優、パク・ヨンハ主演&オール・スイスロケという超大作で、パク・ヒョシンが歌うヒット曲「愛した後に」のミュージックビデオをディレクターズカットでご紹介。今年3/18~22 まで六本木ヒルズで開催された「フランス映画祭2010」がセレクトしたショートフィルム作品を、特集上映します。
開催概要
◆日 程:2010 年6 月10 日(木)~6 月13 日(日)
会 場:表参道ヒルズスペース オー
(東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ本館地下3F )
◆日 程:2010 年6 月16 日(水)~6 月20 日(日)
会 場:ラフォーレ ミュージアム原宿
(東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6F )
☆「オールナイトスクリーニング」
※上映プログラムは未定
日 時:2010 年6 月11 日(金)&12 日(土)の2 日間
会 場:TOHO シネマズ六本木ヒルズ
(東京都港区六本木6-10-2 けやき坂コンプレックス)
◆ナショナルツアー横浜同時開催
日 程:2010 年6 月12 日(土)~6 月20 日(日)
会 場:ブリリア ショートショート シアター
(横浜市西区みなとみらい5-3-1 フィルミー2F)
※チケットは5 月15 日(土)より発売開始。
詳細はコチラ
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2010 オフィシャルホームページはコチラ
※お問合せ:03-5474-8844
(ショートショート フィルムフェスティバル & アジア事務局)
僕も食わず嫌いだったんです
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ショートフィルムと出会われたのは97年とお聞きしました。その時にご覧になった作品はどのようなものだったのですか?
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あるスタジオで、若手10人の映像作家のショートフィルムを10本ほど見たんです。今にして思うと、それがオーディションになっていて、それらの作品がアート性とともにエンターテイメント性があるかとか、その映画にはどの監督が向いているかどうかとか、そういうことを吟味する場所だったんですね。
印象的だった作品がいくつかあったんですが、そのひとつが「アングリーボーイ」という作品。男の子が映画館で、映画が上映されるのを席で待っているというストーリーなんですが、男の子の席のまわりでお客さんが大声を出したり、携帯電話で話し出したりと、とても騒がしいんですね。彼はマナーの悪い人たちにひとこと言ってやりたいんですが、なかなか言えない。なんとか一生懸命、言おうとしているんだけどできない...最後に勇気をふりしぼって、うるさい連中に対して咳ばらいをするんです。たったそれだけのショートフィルムなんですけど、とっても緊張感の高い作品で面白いなと思ったんです。ノンダイアログで、セリフは一箇所もないし、ワンキャメといいまして、カメラポジションを1箇所にすえて、映画館に入ってくるお客さんや退出するお客さん、わさわさと動いている風景を1点でとらえている映画だったんです。
もうひとつは「カルチャー」という作品。アメリカに本部をもつ、ある巨大な多国籍企業の話です。むこうはご存知のように、CEOがヘッドハンティングでどんどん変わるんですが、その企業の経営を動かしていたのは、電話をすると「カルチャー」と応答する文化事業部の30歳ぐらいのたたき上げの女性なんです。彼女が社長たちの相談役で、会社の方向性やビジョンについて指南するという...でも、なかなか文化部門には予算がつかないというショートフィルム。この2本です。
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「面白いと思うものを誰かに知って欲しい、共有したい!」という思いから、日本にもショートフィルムを広めたいと思われたとお聞きしました。周りの方に最初にショートフィルムを紹介したとき、反応はいかがでしたか?
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「ショートフィルムっていう、面白い映画があるんだよ」と、みんなに伝えても、ショートフィルムは学生が実験的に作る映画じゃないかとか、商業性がないんじゃないかとか、アートにもならない、エンターテイメントにもならないんだろう?って、先入観を持っている方がほとんどでした。実は僕も同じだったんです。でも、作品を見てから変わってきましたね。見ていただくと、映画は長さがすべてではないし、短い中にもエンターテイメントも、キラッと光るアート性も、メッセージもあるんだということをわかってもらえました。「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、その良さをわかってもらうには、見ていただくことが一番の近道だろうと思います。実際に見た方はショートフィルムの虜になって、もっともっと見たいという人が多いですね。
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私もショートフィルムを見て、別所さんのおっしゃる通り、見てみないとわからないものだと思いました。
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僕も食わず嫌いだったんです。でも、自分が先入観を持った世界であればあるほど、そこに足を踏み入れた時には、新しい世界が広がって自分を高めたり、可能性を広げたりしてくれるんですね。僕にとって、その最たるものが「ショートフィルム」だったんです。
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例えば、文章を書く上で、文字数に制限があればあるほど、その短い中で読者に伝えたいことを伝えるのは非常に難しいのですが、ショートフィルムにもそのようなところはありますか?
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そうですね。ショートフィルムは上映時間が短いので、長編映画とは異なる映像の味わいがあります。省略美というか、簡潔に何を伝えるかっていうことがものすごく求められるんです。僕は「直球」というか「ストライクゾーン」と呼んでいるんですけど、お客様とつながりたいポイントが明瞭でなければ何も伝わらない。でも短いからこそ俳句や短歌のように、その延長線に広がっていく宇宙というか、見た側が「ああかな、こうかな」と創造できるような「のりしろ」があると思うんです。
「ショートフィルムって何だろう?」って毎日考えてますね
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ショートショート フィルムフェスティバル & アジア は、今年で12年目を迎えられますが、スタート時と比べて、応募作品に何か変化はありますか?
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まず、技術的なテクノロジーの変化がありますよね。最初はフィルムでしか応募されてこなかった、しかも、35ミリのショートフィルムがたくさんあったんですけど、今はそれがデジタライズされて、インターネット上で表現されるものになり、制作ツールと編集して出てくる上映ツールが躍進的に変わった中で、作品も変化してきました。具体的に言えば、CGアートであるとか、3D系の映画も出来始める時代になりましたね。作品の傾向という点では、時代を反映するものかも知れないんですけど、わかりあえない人間同士、例えば、子どもと親とか、隣人とわかりあえない、絆がないとか、背中を向け合っている国同士の話とか、集まってくる作品がすべて後ろ向きな作品ばかりというわけではないんですけど、社会性があるテーマというか、そういう作品が多くなったと思います。特にアメリカの同時多発テロ事件以降は、戦争ものであるとかテロとか、見えない敵に対して恐れている作品が増えてきたように思います。中には、コメディ仕立てのものもあるんですけどね。
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逆に、技術は発達しても、テーマとして昔から変わらないもの、というものもありますか?
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そうですね。映画をなぜ作るのかとか、映画で何をしたいのかとかいう、目的意識というのは、時代がどんなに変わっても、人間の生きる意味とか、社会と人間とのかかわりあいとか、言葉にしてしまうと安っぽいんですけども、演劇やアートなどのカテゴリーの中で、人間は結局、螺旋階段を登るように同じようなテーマを時代に合わせて表現しているのかな...というのはありますね。
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別所さんが作品の審査をされるときは、作品をどの目線で見られるのでしょうか?
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そこが悩みどころなんですが、まずは、自分が楽しめたかということを大きな軸として大切にしています。そして、集まってきている作品のそれぞれの個性というか、映画的なプロの見地、新しいことに挑戦しているなとか、脚本とか構成ですね。テクノロジーではないかも知れないけれども、映像構成でとても面白い挑戦をしているとか、風合いとか、色とか明かりとか、技術的な挑戦をしているものに対しては、やっぱり心を惹かれるというのはありますね。だた最終的には、僕もそうだったように、ショートフィルムが人の心を動かしているというか、感性に対して訴えているかどうかというのが、審査の大きな基準ではありますね。
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難しいですね。一般の方々は、映画を娯楽として楽しみたい!という気持ちもあると思うんですが...。
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そうですね。もちろん、映画はエンターテイメントとしての娯楽という部分と、それから、アート性に富んだ未来地図というか、映像が表現できるメッセージというか、そういうものも含んでいるわけで...どっちが正しいとかというわけではないんですね。僕はよく言うんですけど、陸の上に生きるものと、海に生きるものと、空に生きるものというのは、優劣があるわけでもなくて、どれも素晴らしいわけで、大きな意味では地球上に生きているものとして平等というか...そういう感覚で自分を刺激してくれる作品をまず基準にして選んでいます。
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日本人よりも外国の方に評価が高いという作品もあると思うのですが...。
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そうですね。海外の方の価値観でショートフィルムを見ると、また違ってきますね。ユーモアのセンスも違いますし...。ある特定の民族の中で、自己完結しているようなユーモアのセンスで、日本人が共有できないものもあるじゃないですか。そういったものをどう扱うかとか、その背景まで説明するべきかどうかというのは、わからないんですよね。その日本独特のものは日本独特だし、そういうものも含めて表現するのが映画祭という場だったり、ブリリア ショートショート シアターのようなショートフィルム専門のブティックシアターであると思うので、作品は何でもいいというわけでもないし、でも、何かに限定してしまってもいけない...。そのはざまで一生懸命アイデンティティーを探しながら「ショートフィルムって何だろう?」って毎日考えてますね。
それから『面白い』とか『良い』というのは主観によってみんな違いますし、クオリティーっていうのも、画像のクオリティーなのか、演技は下手だけど監督の映像処理がいいのか、脚本力はあるけど監督力はないのかとか、ショートフィルムの場合は、画家でいうとデッサン画のように、線には勢いがあるんだけど、まだキャンパス全部を使いこなせてないかも知れないなという荒削りな作品もあります。完成度でとらえるべきなのか、潜在的な可能性のある作品を展示していくのがいいのかっていうのは、日々、自問自答しています。
ショートフィルムのもっている魔法
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ショートフィルムは、長編映画の一部をスパッと切り取った作品のようにも受け取れるので、初めてご覧になった方は、戸惑い感じてしまうこともあるのでは?と思うのですが...。
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そうですね。ちょっと突き放された感じになるかも知れませんね。「こういうことで、ああなって、こうなって、ああなりました。ですからどう思いますか?」っていう、手取り足とり方式ではないですから。でも、人間の脳がすごいところは、これは感性というものなのかも知れないですけど、ポンと提示したものに対して、自己補完していくじゃないですか。絵を見たときなどもそうなんですけど、これが有名なピカソだとかマティスであるとかいう情報を聞かなければ、切り取られたある画家の作品を見て、なんだかわからないんだけども、それをこう、自分の頭で一生懸命解釈したり補完して、何かを組み立てあげようとする。それがアートを触れたときの人間の最大の知恵というか、能力というか、創造力というか、空想力...じゃないかと思います。
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その作品を理解しようと、何か自分との共通点を探したりしますね。
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作家が自分の意図したとおりのことが相手に伝わる以外に、意図しない何か、受け取る側が勝手にそれを読みこんで解釈するようなもの、それが交錯して存在するものっていうのが、本当はいいものなのかなと思ったりもします。いい映画やいい本、いいアートとはどういうものだと思いますか?と、よく聞かれるんですけど、読み終わったあとや見終わったあとに「面白かったね。さあ何を食べようか?」じゃなくて、語りたくなったり、考えてしまったり、誰かと「あれはどういうことだったんだろう!?僕はこう思う」とか、持ち帰るものがあるっていうのがいい作品なのかなと思うんです。
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心の中で消化しきれないものがあるというのが、いい作品なのかも知れませんね。
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そうなんですよね。僕はよく前頭葉が動き出すって言うんですけど、「あの映画は何だったんだろう?」「どうしてここにひっかかるんだろう?」と、作品を見ている時よりも見終わってからのほうが大事なんじゃないかと思うんです。フランスでは、1作品、1作品が終わるごとに、余韻の暗闇の時間が用意されていて、1回1回明かりを下げて、またふっと上げて「はいここから、ギアチェンジしてください」と、心憎いことをやったりするんです。それも素敵だなと思うんです。日本でやると、「あれ?何で明かり消えちゃったの?」とか、それがもどかしいと思われちゃったりするんですね。「この暗闇の間は何なの?」とか「事故なの?」とか。日本人とは、そのへんの心の組み立てというか、デザインのされ方も違うんじゃないかと思うんです。民族的にも育った背景的にも...。どっちがいいという話ではないんですけどね。
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ブリリア ショートショート シアターは、みなとみらい駅から少し歩きますが、ショートフィルムの余韻を味わうには、丁度良い距離ですね。
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その余韻を是非、みなとみらいの街で味わっていただきたいですね。映画館に入ったときと、映画を見終わって出ていくときって、自分の中で何かが変わっていますよね。これはやっぱりショートフィルムのもっている魔法だと思うので、その魔法を信じて是非見に来ていただきたいですね。
みなさんの感性が刺激されるんじゃないかなと思うんです。
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ショートフィルムをご覧になったことのない方は、「短い時間内で作家が訴えたいことを感じとることができるかな?」とか「不完全燃焼で終わってしまうのではないだろうか?」というような不安があるかもしれません。
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僕も同じでした...。だから是非、ショートフィルムの扉を開いていただきたいなと思っています。大きなスクリーンで闇に包まれて、音と世界に浸る映画館という場所は、見知らぬ人と共同体験をする空間なんですね。日本ではハリウッド系の映画とか、僕らが出ているような日本の映画とか、それから韓流映画とか、非常に限られた世界を見ていると思うんですけど、ショートフィルムで、短いのに忘れられないシーンを見つけたり、言葉にどきっとしたり、3分とか10分だったのに、見たらもっと長い作品を見たような気分になったり、単純にギャグのように笑いとばせるものであったり、自分を元気づけてくれたりと、万華鏡のように、みなさんの感性が刺激されるんじゃないかなと思うんです。これは見ていただかなければわからないんですよね。
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ショートフィルムは、どのようなシチュエーションで楽しむのがものなのでしょうか?
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色んなジャンルのものがありますので、ご家族で来ていただいたり、おひとりで来ていただいたり、美術館や博物館を楽しむのと同じで、楽しみ方を制限しないものだと思います。月に1回ぐらいは、ショートフィルムという窓から、自分の感性と向き合ってみる。ひとつの価値観とか、大きくマーケティングされた大きな映画を見るというのとはまた違うものなんです。きっと、今まで味わったことのない映画体験になると思います。
僕達も、プログラムに色々なテーマ性を持たせたり、色んなアングルで作品と向きあったりしています。レストランに例えるならば、シェフになって食材の魅力を最大限に引き出せるお料理をみなさんにお出ししているという感じですね。その料理の中にあるそれぞれの食材の個性や風味は、それぞれが持っている作品の力なので、そういったところを楽しんでもらえたらと思っています。色んな人が、お子さんが見ても、昔、名画座に通いつめたような50代、60代の方が見ても、ネット世代の人がショートフィルムがトレンディだから...と見に来てくれても、持ち帰っていただける要素がそれぞれの作品にはいっぱいあると思います。
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今年のショートショート フィルムフェスティバルの見どころは、どんなところでしょうか?
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世界中から集まってきた4,000本近い作品の中から選ばれた作品の個性を、十分に楽しんでいただきたいと思います。それ以外にも、私たちは米国アカデミー賞の公認映画祭なので、アカデミーの方たちがショートフィルムをどう評価し、どう見ているのか?というのもひとつの座標軸にしていただくという見方もありますし、環境とか観光の部門など新設部門の中に、テーマ性を持ってエントリーしてくれた作品もありますので、そちらも是非ご覧いただきたいです。それから、今年は音楽と映像の関わり合いをもう1回見直そうというのがありまして「ミュージックShortクリエイティブ部門」では、今までとは手法を全く逆にして、これまでのミュージックビデオのように音楽発信者の音楽や世界観をより効果的に伝えるための映像とは違って、はじめに、映像を作る側に楽曲を聴いてもらって、それから膨らんだイメージをショートフィルムで表現してもらうという部門を設けました。ミュージックビデオとも違う、カラオケビデオとも違う、音楽を映画の世界で表現したらどんなもんなるのか?こちらも是非、みなさんにご覧いただきたいです。
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すでに曲が提示してあるわけですよね。そこからイマジネーションを膨らますというのは、面白いですね。
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そこにある歌詞とか、メロディとかビートとか、楽器とか何でもいいんです。自分の人生とリンクする、あるいは何か、クリエイティブなものを刺激されてものを作るんじゃないかなと思うんですよね。
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何通りも考えられますね。何百通りも!
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そうですね。無限だと思います。
(2010年4月 ブリリア ショートショート シアターにて)