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「小さい頃から“声を出す”ことがとにかく好きだったんです。そして自然に“将来はオペラ歌手になるんだ”って思うようになりました。今思えばオペラ歌手が何者かもよく分からなかったのに(笑)」
その後、高校2年生の夏に本格的に音楽大学へ進むことを決めた。決して早くはない音大受験へのスタートだったが、見事国立音楽大学に進学。大学院を 首席で修了し、劇団四季の「オペラ座の怪人」カルロッタ役でデビューする。その後も主演公演を数多くこなし、様々な賞も手にした。そこにあった並々ならぬ努力に話を向けると、「私は本当に人に恵まれたと思います。デビューの時も、たまたま役に合う声を探していてそれが私だったという感じで。人生のポイントで、巡り合わせみたいなものがたくさんあるんですよね」そう言って塩田さんはからりと笑う。現在は5才の娘をもつ母であり、熊本平成音楽大学での教授という顔もお持ちだ。
「最初にお話を頂いたときに、『私は知っていることしか教えられないです。』と言ってしまったんです(笑)。でも、それでもいいと言って下さったので、じゃあ、ためしに1年ということで始めました」
これら多彩な活動のほかにも、塩田さんには2つのライフワークがあるという。ひとつはご自身が主宰しているスペイン音楽研究会を通してスペイン歌曲を世間に広めること。そしてもうひとつは七夕コンサートの演目にある、「おはなしオペラ」への取り組みだ。オペラのストーリー語りを間に挟みながら歌を歌うという、今までにない独特のスタイル。ピアノ1台のみを伴奏とし、声と歌で観客の心に訴えかける。
「子供の絵本は話の途中でも歌の場面が自然に出てきますよね。これをオペラでできないかなと思ったんです。そもそもオペラは高尚な芸術だ、と思っていらっしゃる方がとても多いですよね。“今度、聴きにきて”と言っても、“分からないから”と言われてしまう。理解するのではなく、感じてほしいんです。そのきっかけになればと思って始めました。そして最終的に何かの形でオペラに興味を持ってもらえれば、私の仕事はひとつ完結したのかな、と思いますね。」
将来はスペイン歌曲をおはなしオペラで演じることもあるのでは?との質問に、目を輝かせて「いいですね!」と言う塩田さん。クリスタル・ヴォイスと絶賛される美しい声は、塩田さんの内面から出ているようだ。
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●プロフィール
塩田美奈子(しおだみなこ)
国立音楽大学卒業。同大学院オペラ科首席修了。オペラ研修所6期修了。昭和63年、第19回イタリヤ声楽コンコルソ第1位、シエナ大賞受賞。同年、劇団四季「オペラ座の怪人」カルロッタ役でデビュー。海外公演「プラハの春」では「第九」のソリストとして招かれ、地元紙より“クリスタル・ヴォイス”と絶賛される。常に日本語を大切にし、抜群の歌唱力と、明るいパーソナリティーで、現在最も輝いているソプラノオペラ歌手。 |
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