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落語家 三遊亭 王楽
インタビュー

落語家 三遊亭 王楽 同じ世界に入ったからには 父親を超す噺家に

 次世代の落語界を牽引する若手落語家の一人、三遊亭王楽さん。テレビ番組「笑点」等で人気の三遊亭好楽さんを父に持つが、落語の門を叩いたのは、父親の師匠でもある三遊亭円楽さん。親子で噺家をやっているのは珍しくないが、兄弟弟子というのは好楽・王楽親子のみだ。横浜でも、横浜にぎわい座や栄区桂台の地域寄席でおなじみの三遊亭王楽さんに、父・好楽さんとの関係、落語への思いや目指すものを伺った。


「のん気なんでしょうね。心配いただくほど、父親の存在を自分は気にしていません。“親の心、子知らず”ではないですが、親の方がハラハラしながら見ているんじゃないですかね」
どの世界でも注目されがちな二世。比較されるプレッシャーと絶えず戦っているのかと想像していたら、そんな気負いを感じさせない軽妙さ、大胆さが印象的だ。また、父親の影響で幼い頃から落語に親しんでいたのかと思いきや、それも違い、落語を初めて聞いたのは大学生になってからだという。
「落語家という父親の存在をどこか恥ずかしいと思っている節があって、避けていたのかもしれません。“これはおもしろい!”と興味を持った後は、のめりこむように家にあったテープを片端から聴きましたけど」
 2005年5月に昇進し、現在二つ目。前座のうちは客前で話す機会も多いが、二つ目はぐっと減る。落語家が伸び悩むといわれる時期だ。しかし王楽さんは、年間250もの高座に上がっている。横浜でも、にぎわい座ののげシャーレを利用した若手を発掘・育成するプログラム等の中で公演を行っている。
「二つ目になると、何か“この人に演らせたい”というところがないと声が掛らなくなります。私の場合は、師匠、父親のおかげです」
 こう謙遜するが、王楽さんの落語家としての意識や行動、また人柄に惹かれている人は多い。芸だけではだめ、落語界だけを見ていてはだめという姿勢も評価されているのではないか。
「とにかく色々なものを見ようと意識しています。“今やっている、あれ”といわれて“へ~、そんなのあるんだ”ではまずい。人に楽しんでもらう商売をしているわけですから」
 一人でどんな世界をも作り上げられるのが落語の魅力だという。
「表現できることが無限大。例えば、ここが断崖絶壁として“高いな~”とやれば頭に風景を広げることができる。観る側もそういったところを楽しんでもらいたいですね。大勢のお客様から拍手や笑いをいただけると、本当に嬉しい。もうやめられないですよ」
 これから取り組みたいのは、落語ファンの裾野を広げるための活動だ。小・中学校での公演やテレビ出演、二世落語家のユニット「ボッチャンファイブ」等、様々なことを行っているが、今後は更にドラマ出演等にも挑戦したいという。
「どんなとっかかりでも、僕という人物に興味を持ってもらい、落語を観るきっかけにしていただきたいんです。そのためにならなんでもやりますよ」
 将来、目指すのは、舞台に上がるだけで華が咲くような、存在感のある噺家だ。
「技というよりは佇まいで圧倒できるような噺家になりたいと思っています。そして、同じ世界に入ったからには、父親を超さないと失礼でしょうね。」

三遊亭 王楽
●プロフィール
三遊亭王楽(さんゆうていおうらく)
昭和52年(1977)年、東京都荒川区生まれ。駒澤大学英文科卒。平成13年に三遊亭円楽師に入門。27番目の弟子となり同時に親子の兄弟弟子となる。円楽師からは過去最多と言われる10演目を直接習い、平成16年5月に二ツ目に昇進した。伸びやかな感性と現代性が特徴で、持ちネタは現在100に迫る勢い。二ツ目披露公演には史上最高ともいえる豪華出演者が脇を固めて注目を集めた。

PICK UP INFORMATION
第三回 三遊亭王楽のにぎわい道場
●6月23日(金曜日)19時〈会〉横浜にぎわい座(小)



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