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アーティストが、馴染みのない土地や文化の中に身を置き、創作活動をすることを“アーティスト・イン・レジデンス”という(以下、AIR)。日本で認知されはじめたのは近年のことだが、欧米では古くから取り組まれており、特に、場にこだわった作品づくりにおいては不可欠な創作形態だ。
横浜トリエンナーレ2005でも、AIRにまつわる様々な試みがなされた。作曲家の野村誠さんは、会場と旭区・横浜ズーラシアで音づくりのワークショップを行った。 |
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「トリエンナーレのテーマ“アートサーカス”を音で表現することに、人間にとって美しい音楽を動物はどう感じるのか?という疑問も盛り込みました。場所を移動することで、いくつもの視点から音楽を見つめなおすことができました。作品制作は場と密接に関わってくるもの。AIRには大きな可能性を感じます」(野村さん)
ワークショップで生まれた音を組み合わせた弦楽四重奏は、今月、横浜みなとみらいホールで披露される。 |
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横浜美術館の企画「アーティスト・イン・ミュージアム横浜」は、美術館での、アーティストと市民の出会いから生まれるコミュニケーションを主な目的にしている。2005年11月~12月には、トリエンナーレ参加アーティストでもある屋代敏博さん、野外での環境インスタレーション作品に取り組むロイ・スターブさん(米)の2アーティストが市内各所で制作活動を展開した。
屋代さんの『回転回』シリーズは、回転する人物を撮影した写真作品。本企画では、来館者が制作に参加した他、三渓園、横浜能楽堂、市内の中学校などの公共空間、個人の住宅で撮影を行った。
「幼児から、90歳のおばあちゃんまで、様々な方が参加してくれました。元々アートへの興味や、“表現したい”という欲求があるので、ちょっとお手伝いするだけで皆さんとっても開放的になるんです」(屋代さん)

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今年度、横浜市が取り組み始めたのは、台北市との交流AIR事業。3か月間、お互いの都市にアーティストを派遣する。
第一弾の活動として横浜に滞在し、BankART1929にスタジオインした台北のアーティスト、陳妍伊さんは振り返ってこう語った。
「横浜に集まるたくさんのアーティスト、市民の方々と接することで多くの刺激を得ることが出来ました」(クロージングスピーチより)
滞在中には、伝統的な着衣である和服を日常的に着る人がいることに驚き、各所で和服姿の女性を写真におさめたとのこと。この地に滞在しなければ、得られなかった実感だろう。横浜からは矢内原美邦さんと高橋啓祐さんのユニットOff Nibrollが派遣され、台北國際藝術村で制作に取り組んだ。



ワークインプログレスがコンセプトにあったトリエンナーレの開催で市民が参加する制作スタイルが浸透したことや、BankART StudioNYK、北仲BRICK&北仲WHITEなど、レジデンスの環境が整ったことも、AIRの土壌づくりに影響しているだろう。
「せっかく同時代に生きているんですから、作品を観るだけでなく制作現場をダイレクトに感じて欲しい。それが観る側にとっても、作る側にとっても、現代アートの醍醐味ではないでしょうか」(屋代さん)
主催者とアーティスト、また観覧者の思惑のバランスをいかにとるかが課題のAIRではあるが、市民との交流に充足を感じているアーティストの声は今後の展開を期待させるものだった。 |
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3/22(水)19時
〈会〉横浜みなとみらいホール(小)

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