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横浜ウォールアート事情

住民が自らつくる街の景色

 横浜のウォールアートと言えば昨年11月号でも紹介した、ロコ・サトシさんたちによる桜木町高架下の絵が有名だが、近頃、地域の学校や町内会の手によるウォールアートづくりが市内各所で盛り上がりを見せている。
 「もともとの目的は違法ビラや心ない落書きで汚された街の美化です。地域のボランティアが貼り紙をはがし、落書きを消していましたが、すぐにまた汚されてしまう。そこで、取り組んだのが壁画づくりです。せっかくですから、街の個性と住民の力が生きた作品をつくろうと思いました」


 落書きの絶えなかった壁(港南区・鎌倉街道沿道の原乃橋東側橋脚壁面)を色鮮やかな壁に生き返らせた、日野南連合自治会の茅野眞一さんは言う。
 「下絵の作成からペンキ塗りまで、協力してもらったのは日野南中学校美術部の生徒さんです。港南区の花・ひまわりと虹をテーマに、複数の絵を組み合わせました」
  生徒達はこれまでも町内清掃などボランティアに取り組んでいたが、壁画づくりはやり遂げた後の達成感が違い、活動が形に残ることへの喜びの声が寄せられている。
 「落書きがされないよう壁面を覆う透明フィルムや、ラッピングバスのように、 フィルム自体に原画を拡大プリントして壁に貼る方法など 壁画づくりにも新しい素材やアイデアが生まれています。キャンパスになる壁面と予算と市民協力が得られれば、すぐにでも次回作に取りかかりたいですね」」(茅野さん)
  都筑区・センター南駅前のすきっぷ広場にあるのは、モザイクタイルで描いた「つづきの太陽」。原画は公募作品313点の中から選ばれた、都筑区在住の小学生・両角陣くんによる作品だ。企画した都筑のまちづくりに取り組む“NPO法人I Love つづき”の岩室晶子さんはこう話す。
 「将来的に、街の中で長く生き続け、まちづくりのシンボルとなるような作品を作りたいと思っていました。時を経ても色褪せず、欠けた時にも修復が容易にできるタイルを素材として選んだのはそのためです」
  1枚1枚貼り付けなければいけないタイルだからこそ、制作には576組2,000人もが参加した。
 「完成から半年が過ぎ、落書きされにくいタイル壁は街になじんできました。目に見えない大きな成果は参加者の心に芽生えた街への愛情、『街をきれいにしたんだ』という実感です。 作品をつくりあげた経験を共有できたことで、住民同士の結びつきも強くなりました」
  また、坂道の多い保土ヶ谷区では、常盤台小学校の子ども達による絵を通学路の坂道(階段)の蹴上げ部分に取り付けた。「登ったり降りたり、きつくて大変」という坂道の印象を、遊び心を持った子ども達の明るい絵で和らげ、街の特徴に愛着を持って欲しいという思いが込められている。
  住民を巻き込んでつくるウォールアート。今後横浜にどんな個性的な壁画が増えるのか、楽しみだ。

NPO法人I Love つづき
NPO法人I Love つづき

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