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BankART Studio NYK

歴史を象徴する海に面した倉庫で 新たなアートシーンが展開する

 横浜には歴史を象徴する建築物が多く残っている。これらの建物は、開港の地であり、さまざまな文化をいち早く吸収してできた横浜という都市の匂いを実感できる大切な資産。横浜市では、都市部の歴史的建築物を見直し、文化活用すべく、さまざまな試みを検討中だという。

 その手始めとして昨年始まったのが、“BankART 1929”という実験的なプログラム。まずは、旧第一銀行と旧富士銀行の建物を開放し、<BankART 1929 Yokohama>、
<BankART 1929 馬車道>として、展示や公演、また制作活動といったアートの場として利用しようというものだ。1階にはパブを設け、市民が集い、交流する場としても機能している。
 今年の1月6日、新たにちょっと違った趣の<BankART Studio NYK>がオープンした。今春、旧富士銀行に東京芸術大学の大学院映像研究科が開校することになり、海岸通の旧日本郵船倉庫に移転したのだ。
 

 NYKとは日本郵船会社の略。明治18年に誕生した同社は、アメリカやヨーロッパなどへの遠洋定期行路を次々と開設。昭和初期には氷川丸など数多くの豪華客船を有した。倉庫は、埠頭に面した横浜郵船ビルに並び、貿易の拠点として機能したのだ。
「<馬車道>の持っている機能はそのままですが、名前にもStudioとあるように、ここでは特に制作の場としてのスタジオ機能を強化しています」館長の岡崎松恵さんはいう。
 館内にはこれまでの3倍の10このスタジオを設置。長時間滞在して創作できるよう、シャワー、トイレ、流しなどの水場も整備した。
「通りから1本道を隔てた奥まった場所なので、しんとして都会の喧噪を感じさせないんです。不思議と立去りたくない気持ちになる。集中してモノを制作するにはいい空間ができ上がっています」
 駅と直結だった以前と比べ、地の利は若干悪くなるが、みなとみらい線馬車道駅から徒歩で約4分。目の前は海というロケーションも魅力だ。
「横浜の街の風景を眺め、空気を吸いながら作品を制作する…まさに横浜から発信できる環境が実現したといえます」
 また、いかにも倉庫といった趣の1階は、壁なども敢えてそのままに閉鎖的で荒れた感じを残し、海に面した開放的な2階との質の異なる2つのスペースも備えている。
「歴史的建造物はアートのために作られたわけではないので、利用するのに制限はあります。でも、そこを工夫することで、逆に新しい可能性を生み出せると思っています」
 パブも毎日オープン。スタジオでの作品の制作途中を公開したりと、つねにどこかがオープンしている。海に面したテラスからは、赤レンガ倉庫も見渡せ、海風にあたってぼんやりするだけでも、訪れる価値ありだ。


BankART Studio NYK

〒231-0002 横浜市中区海岸通3-9
アクセス
みなとみらい線「馬車道駅」下車 6出口徒歩4分
JR・市営地下鉄「桜木町駅」徒歩5分
JR・市営地下鉄「関内駅」徒歩7分
〈問〉BankART 1929 オフィス
045-663-2812
http://www.bankart1929.com



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