ロコさんは、今から30年近く前、最初にこの壁に描き始めたウォールぺインターの草分け的存在。それだけに、この壁への思いもひとしおだ。
「90年代中ごろまでは、すでに描いてある絵に付け足すような感じで次の絵が描かれてたり、親しみのある絵が多くて、市民の人にも受け入れられてたんだと思う。それが、かたっぱしから人の絵を消して、スプレー缶でロスやニューヨークにあるような暴力的な絵が描かれるようになった」 |
 |
| 今描かれている絵がすべて悪いというわけではない。しかし、自分で消化せず、ただ暴力的な絵を真似て欲求のはけ口にするのは、表現とはいえない。しかも、平気で人の絵の上に重ねていくのは、同じ絵を描く人間としてさびしいというのだ。 |
 |
| 「アートって酵素のようなもので、ほかのものと絡み合ったときにバーッと活性化させる役割がある。まして、外に描くってことは、自分がここにいるんだよって相手に叫びたいから。だから、どれだけ相手が大事かってことをわかって欲しい。自分の部屋で描くんじゃなく、無差別に見られる公共の場に一筆おくってことは、相当な決意がいることなんだよね」 |