近年、アートを劇場や美術館から解放して、教育や福祉の現場で新たな可能性を模索する動きが広がっています。とりわけ、"子どもたちの人間形成にはアートとの触れあいや体験が欠かせない"という認識は、今や、欧米ばかりかアジア諸国でも定着するようになってきました。そのキーコンセプトは"Arts
in Education(AIE)"。従来の芸術教育(Arts Education)の枠にとらわれず、アートの力を最大限に引き出す教育現場の実践が、世界各地で大きな成果をあげています。
2年目を迎えた「創造都市交流*」。視察先の英国、シンガポールで出会ったのは、まさしくそうした取り組みでした。
アートが社会に多様性と活力を生み出し、私たちの未来を切り拓いていく---。そんな可能性を両国のゲストを交えて探っていきます。
*EU・日本創造都市交流 Arts for Community Growth and Development
2005年の日・EU市民交流年を機に始まった創造都市交流。昨年は、日本各地のアートNPOと地方公共団体がペアを組み、EU6カ国の創造都市戦略の取り組みを視察。横浜市で国際シンポジウムも開催されました。これからの市民社会のキーワードとなりつつある創造都市(クリエイティブシティ)。そのあるべき姿を模索し、国際的なネットワークの構築をめざして、今後も継続される予定です。
2005年 アートが都市社会の新しい地平を切り拓く
−EU 諸国の創造都市戦略を巡って −
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